「もっと人手がほしい!」
というセリフもよく聞きます。
だいたい、どこの施設も、最初に設定した人数は
足りているはずなんです。
法律上のことですけどね。
もちろん、居宅などで利用者人数が増えれば、
その方々に見合ったサービスを提供するための
人数の足りなさはあると思いますが、
施設職員からの「人手が足りない」をよく聞きますね。
人手は足りているのはずなのに、
「人手が足りない」と言っている状態はどうしてでしょうか?
皆さんの仕事が多すぎるから、
もっと人数が多い方がいいとお考えだと思います。
では、人件費から考えてみましょう。
払えますか?
払うためには、何かを削らないといけません。
お財布の中身(収入)は、
人が増えても変わらないからです。
その中でやりくりして、
人手を増やすとなれば、
皆さんのお給料を減らすか、
パートさんを雇うことになりますね。
元々その人数でやるようになっていたわけですから、
人数を増やすのであれば、
何らかの収入を得なければなりませんね。
さて、万が一、収入が増えたとしましょう。
人を増やせるとしたとしましょう。
じゃあ、何人いれば、「人手は足りる」のですか?
きっと何人いても、あなたのお考えであれば、
人手は足りないはずです。
それこそ、マンツーにしても、
それ以上いたほうがいいような気がするはずです。
さて、現実を見ましょう!
私たち福祉従事者は、国内全体を見れば、
全体的に足りていない状況です。
これは、高齢や児童も含めてそのような状況です。
そのなかで、障害者施設の職員も
もちろん全体量としては足りていないのですが、
今いる人数でやろうと決心してください。
何を言っているんだ?と思われるかもしれませんが、
今いる人数で、できることをすることになれてください。
その中で、もちろん、頭に描いている内容が
できないこともあるかもしれませんが、
視点を変えていただきたいのです。
足りてないからできないとする気持ちでいたら、できません。
今いる人数でできることをすると思えば、できると思いませんか?
要するに、「できないできない」と言っているから、できないのです。
できることの中でやればできるのです。
じゃあ、何ができるのか?
皆さんの人数がが増えない状態で、
皆さんの仕事を減らすのは何か?
まず、利用しているみなさんの自立度を高めてください。
なんでも、かんでも、
手出し口出ししている状態で、
自立させていなければ、
彼らは自立できず、
あなた方支援者の手がないと生きていけない状態になります。
これは、
あなた方の仕事を増やすばかりでなく、
人材不足という社会問題を大きくしている一端になっていると
理解して頂きたいのです。
人手はあったほうが、支援も手厚くはなります。
それが、彼らの自立を妨害しているのです。
そういう観点が必要なのです。
もちろん、今現実的に、
あなたが思い描いている職員数は確保できていません。
ですから、、この人数の中でできるように、
障害がある皆さんの自立を促す支援に特化するべきです。
たとえば、水道から自分で水が飲めないと思い込んで、
いつまでもコップに水を汲んで
ご本人の座っているところに持って行って
差し出しているのだとすれば、
ご本人に水道まで来ていただき、
コップに水を入れて、
自分で飲んでいただくことが、
ご自身でできるようになるために支援をする。
というような、
そんなイメージです。
あなたが、するべきでない支援を
たくさんしていることで
あなたの時間を使いこんでしまい、
「人手が足りない」と言っている状態にするのではなく、
あなたが「人手」に変わる、
障害ある人の支援を
自立目的に向けてしていけば、
人手は今いらっしゃる人数で充分になりますよ。
もちろん、今以上の支援をするために
手厚くと思うかもしれませんが、
その前に、
あなたがするべきことをしていないために
人手がほしいといっているようにしか感じないのです。
人手は増えません。
簡単にはね。事業収入が増えませんしね。
ならば、あなたは何をしますか?
今の状態に文句を言っていても現状は変わりません。
別な視点では、仕事の効率化や
今までやっている「慣習」のようなものが本当に必要かなど、
業務の見直しが大事になってきます。
いつも1時間でやっていることを
50分でやる工夫も必要かもしれません。
不要な会議なども見直すべき部分です。
人がいればできるわけではないのです。
人手に変わる、工夫を凝らせば、
あなたの職場は楽になるはずです。
成功事例もあります。
さあ、いつまでも文句を言っているのはやめて、
現実の中で、工夫を凝らしましょう!
<参考ブログ>
「何でもやってあげたくなってしまう支援者のみなさんへ」
http://teamaoi2003.com/post/919