自閉症支援:場に適切な言葉にするための支援


自閉症の人、
とくに発達障害や高機能自閉症の人は、
たくさんの言葉を持っています。

でも、自分が発した言葉が、
その場にふさわしいかどうかを考えることは難しく、
自分の感情のまま発してしまうことがあります。

たとえば、
太っている女性に、
「太ってるね。痩せないと死ぬよ」
などと、言ってしまう。

心配して言っているようなのですし、
内容が間違ってはいないかもしれませんが、
場の雰囲気や相手の感情は、
全く範疇になく、
思ったまま言葉にしていますし、
自分は知らないことでも、
どこかからの受け売りで、
「太っている=死ぬ」など、
インターネットから拾って来たような言葉が
入り込むこともあります。

このような場や相手にあわせた
表現にすることは、
とっても難しいようです。

だいたい、こういう会話を聞くと、
言葉を発した人の気持ちは
理解していることを伝えつつ、
その言葉は良かったのかと
話すことをしています。

その言葉で、
相手はどんな感情になるかも
解説を付け加えます。

そして、どんな言葉だったら、
よりよかったのかを話し合います。

その時に、
もし、同じ言葉を自分が言われたらどう思うか?
と聞くことがあります。

では、この4つについて、
具体的な支援を書いていきましょう。

その言葉は良かったのか?
相手はどんな感情になることもある?

この時は、トラブルが始まることがありますし、
相手の人が言い返せず、黙ったままのこともあります。
ですから、言ったその時にトラブルになれば、
ある意味わかりやすいですが、
場を落ちつかせてから、この話し合いをします。

あとで、やろうとなるよりも、
今のこの状況を覚えている時のほうがわかりやすいようです。

その時、まず、言ったその人の感情を受け止めましょう。
そういう気持ちがあったことをまずは、受け止める。

相手が、どう思うかは別問題として、
その人はやさしさの気持ちとして言っている場合もありますから、
まずは、その人の気持ちの確認をします。

でも、けんかになったら、
「相手の人は嫌だったんだね」という確認をします。

もし、相手が、だまったままの時でも、
「違う言葉のほうが、よかったかもしれないね」と、
やわらかく話していきましょう。

けっして、その人を非難する態度ではなく、
その人の感情を認めつつ、淡々と話します。

どんな言葉だったら、よりよかったのか?
同じ言葉を自分が言われたらどう思うか?

どんな言葉だったらよかったのかをわかっていただくために、
「逆の立場だった時に、自分が言われても大丈夫なものか?」
というニュアンスの
質問をしてみましょう。

すると、「自分だったら平気」という場合もありますので、
「そんなんだね。あの人は平気じゃなかったね」という2つ確認をし、
「人それぞれ、感じることは違うよね」
という確認になりますが、
もし、「自分も嫌な気持ちになる」となれば、
こちらも、
「そうだよね」という受け止めをして、
「じゃあ、自分だったら
どんな言葉がよかっただろうね?」
と考える機会としましょう。

間違いやすいのは、
支援者が怒り出すことです。

彼らはわからなかったからこそ、
そんな言葉を使ってしまっただけです。

今から意味が解るための
スタート地点に立ったわけですから、
怒らずに、正解をお教えしていくことです。

ただし、私たちが思う正解とは、
押しつけることではありません。

こんな言葉がある。
その言葉は、
相手を怒らせない、
傷つけない言葉だよという、
一例です。

その一例に触れる機会を得たわけです。

このことを1度経験したからと言って、
その後、適切な人付き合いの言葉を
発することができるということでもなく、
違う言葉が使われ続ける可能性がありますが、
その都度の蓄積は、
無意味ではありません。

彼らは、
知らなかっただけ。

そのことを知る機会が、
目の前にあわられただけです。

でも、蓄積は力になります。

その時に、支援者は絶対に
穏やかな状態でお話をしてください。

長い目で見て、
人付き合いに使える言葉の獲得を
支援していきましょう。