病気の時にはお手伝いを休む



自閉症のお子さんが家族にいる場合で、
家でするお手伝いことなどが決まっており、
たとえば、
施設や学校から戻ったら、
洗濯物をたたむとか、
ご飯の後は食器を洗うなどの
役割があることは、
ご家族にとっても
ご本人にとっても、
自立を考えるうえでも、
良い役割となり、
また、そのお子さんにとっても、
毎日続けることは、苦でもなく、
スケジュール通りに、
こなしていく人も多いのではないでしょうか?
 
親として、
役立つ息子や娘を
うれしく思うでしょうし、
家族の中で重要な人材にもなりますね。

特に、
親は段々に年齢が高くなりますし、
家でやることも多いですし、
趣味もしたいでしょうし、
疲れやすかったり病気がちにもなりますので、
家族が協力し合うことは、
自閉症の人でなくても、
小さいころからのそれぞれが
家庭を作る上でも重要なことだと思います。

できる人ができることをする。
家族って、そうやって保って行くのでしょう。

さて、
そんな中、
自閉症の人が病気になることもあります。

熱が出た。
歯が痛い。
腰をひねってしまった。
 
そういうことが、
うまく訴えられない人もいますし、
周りが気づいて、
ご本人に確認をすることもあるでしょう。

体調が悪いのですから、
お手伝いはしなくてもいいのです。
でも、
毎日の日課となっていると、
休めない人がいます。

高熱でも、
洗濯物を取り込んでいた。
やめるよう言っても、
やめてくれない。

こんなことでご家族が
心配されることもあります。

それはそうですよね。
調子が悪い時は、
休んでもらいたいものですから。

さて、こういう時、
どうしていますか?

ほとんどの人が、
あきらめている可能性があります。

ちょっとの時間で終わるお手伝いなどは、
途中で口出しして、
イライラさせてしまうよりは、
終わるのを見守っているといった
具合ではないでしょうか?

人によっては、
素直にやめてくれる人もいると思いますが、
かたくなにやり続けるような人の場合は、
先に、お手伝いルールを決めておくことです。

「病気の時は、お手伝いをやらない」
ためのルールですが、
実際ご本人に提示するのは、
「病気の時は、お手伝いの代わりに○○をやる」
というものになります。

「やらない」は否定語になり、
「○○をやらない」だけでは、
何をすればよいかがわからずに
困ってしまうからです。

ですから、いつものお手伝いをしない代わりに、
やることを提示することで、
安心して「お手伝い以外のこと」を
やる人になります。

実際は体を休めることをする
というものになると思われますので、
「布団で寝ている」など
ルールにしてみましょう。

やると決めたらやるわけですから、
ルール化しておくと考えやすいので、
万が一の時に役立つのです。

さらには、たとえば、
「熱がある時」ではなく、
「熱が37度以上の時」
といった具体例が出るのであれば、
そのほうがよいですね。

しかも、
熱が37度以上の時は、
布団で寝るといったイメージのことで、
することをルール化しておきましょう。

もし、自分がやらないと誰がやるのかを
気にするような人であれば、
やる人を伝えておくことです。

その時というより、
ルールの中に入れておくのも良いと思います。

「熱が37度以上の時は、
布団で寝ます。
洗濯物畳みは、
お母さんがします」

といった具合です。

いざというときに、
変わりの人にやってもらうことができ、
安心して、
身体を休めることができるよう、
ちょっとしたルールを
その時ではなく、
前もって作り、
伝えておくことをおすすめします。