自分の言葉が凶器になっていないか?



生まれてきた子に障害がわかり、
どのようにしたらよいかがわからないときに、
子どもの関しての相談をするのは、
母子手帳に書いてあるような行政機関なのか、
それともインターネットを探していくのか。

はじめて障害界隈に入ってきたその人の周りには
「障害」の世界をたくさん知っている人が、
少ないはずなので、
簡単にはたどり着かないかもしれません。

不安でしょうし、
ましてや、実際は、
パパよりもママのほうが
重く受け止める可能性もあります。

自分のおなかから生まれた子ですから。

なにか、一人で責任を感じて、
何をしてよいかわからないにしても、
どこかにようやくたどり着いて、
「障害」の子を育てるための
支援の入口に入ってくると思います。

もちろん、「障害」がすぐにわからないこともあり、
学校には行ってからとか、
大人になってからわかる人もいますので、
「入口」は行政だけではありません。

さて、これを読んでいるあなたが、
こういったご両親を
受け入れる側だったとしたら、
あなたは、このご両親に、
どんな言葉をかけるのが良いと思っていますか?

もちろん、その親御さんによっても
かける言葉は違うでしょう。

なので、こんな質問をしてみます。

その親御さんが、
障害がある子を育てようとする今、
未来を悲観せず、
誰かを頼りながらでも、
少しずつでも前に進もうとできる言葉は、
あなたから発することができるでしょうか?

初めて出会った専門分野の人に話す内容は、
理路整然としているわけでもなく、
何か目的が明確にあるわけでもなく、
混乱をした状態で訪ねてくることもあるでしょう。

とりあえず話してみれば、
何か良い情報が得られるかも…
というくらいかもしれません。

そんな人たちに
始めて話をする職業的支援者によって、
ご両親の将来が
ちょっとでも安心できるようになったり、
間違えば、
悲観してしまうような結果になったりするのです。

「障害」の世界の入り口にいる人の役割は、
本当に大事なのに、
過去に経験してきた多くのご家族が、
「長きにわたって頑張らないと」と思ったり、
「そんなこと私にはできない!と
思ってしまうような言葉を
言われた」と話していらっしゃいますし、
「あなたががんばらなくてどうするの?」
など言われ、
さらなる混乱や不安をもってしまうことも
多くあるように伺っています。

始めに言われた言葉は、
よく覚えていらっしゃいます。

助けてほしいとすがった相手に
崖から突き落とされるように
感じてしまうような言葉を
職業的支援者側が発してしまっては、
助けられるものも助けられなくなるのです。

もともと子育ての始まりを
マイナス状態で感じている人や、
この先が見えない人に、
かける言葉は工夫が必要です。

困りつつも、
がんばろうとしているから
来ている人たちです。

そのがんばろうとしている人に
ねぎらいと感謝の気持ち。

今のあなたで大丈夫という
安心も必要。

そして、あなたひとりで悩むことではなく、
私たちを頼ってほしいと伝えること。

さらに、
何でも相談してほしいということや
お手伝いすることを
宣言してほしいのです。

専門用語ばかり並べたり、
「皆さんがんばってますからあなたも…」というような
言葉を放り投げず、
まずは、丁寧にお話を伺って、
不安な状態だったその人に、
ちょっとでも笑顔が出るような
そんな入り口としての役割を
していただけないでしょうか?

言葉は、助けにもなりますが、
凶器にもなります。

「それはできないです」
「難しいです」
「他をあたってください」
「もう少し様子を見ましょう」
「担当者が不在なので後日来てください」

藁をもすがる思いで
訪ねたにもかかわらず、
「見捨てられた」「たらいまわし」などと
感じるような言葉を発しないでください。

ようやく来てくれた人の
来るまでの大変さも想像してください。

特に支援サービスをする側は、
今までしたことがないことは
前例のなさでお断りしがちですが、
そこにニーズがあるのだととらえて
サービスを作り出すくらいの
考えが欲しいと思います。

すぐに断らず、
サービス機関として
作り出せないか?と考える瞬間を持ちましょう。

支援の入り口の関わり方や
かける言葉によって、
その子の将来が変わってくることを
想像しつつ、
自分の言動が、
困っている人の心に
マイナス方向に作用しないように、
言葉を選び、
ご家族にとって安心感を醸し出すような
入り口になってほしいと思います。

あなたの言動で、
パパやママたちが、
安心して子供を大切にしながら、
スタートがはじめられるように、
自分の仕事の大きさを知り、
ひとりでも多くの人を
助ける役割を持っていることを
認識していきましょう!

障害は社会の側にあり、
あなた自身がそのご両親や障害がある子にとって
「はじめての障害」にならないことを切に願いつつ、
社会にある障害を減らす側にもなってほしいと思います。

「あの人に出会ってよかった」
と思っていただける職業的支援者を目指しましょう。

自分自身の存在が、
ここから先の子育てで起きる困難を
少しでも減らせる一助となりますように。