作業の売り上げをあげるための3つの視点



知的障害がある人の
工賃UPが図られていますか?

間違った解釈なのは、
その集合体としての売り上げが、
上がる時に、
誰がどのように誰に対して作業をして
売り上げをあげているか?と言うことです。

1つ目の間違いは、
職員が作業をしていることです。

2つ目の間違いは、
安いものを値上げせずに量をたくさん作っていることです。

3つ目の間違いは、
利用者の家族に一番売れていることです。

この3つをしていることで、
売り上げが上がりにくく、
もし上がっても、
それは、あまり意味がないことだと思っています。
もしそこが改善されるなら、
売り上げは右肩上がりで上がっていきます。

では、具体的にお話ししていきましょう。

1.職員が作業をしている

どこの施設でも、大なり小なりしているかもしれませんが、
支援としてしている意味をはき違えると、
利用者の皆さんが作っているよりも
必死になって、職員が作り上げていることがあります。

そのために、残業までして、やっていることの
コストも考えるべきです。

利用者の皆さんが作業をして、
工賃にするのが、本来の姿ですから、
職員は、作業をどうやったら
できるようになるか、
やりやすくなるか、という
支援のほうに向けるべきです。

利用者の皆さんには適当に作業をさせておいて、
職員だけが必死になっている状態は、
本末転倒です。

また、彼らの強みを活かしていないということにもなり、
作業への意欲も薄れていきます。
その状態で工賃だけ上がっていくのは
おかしいと思いませんか?

自分たちがたくさん仕事をしたことで、
工賃が上がることを、
体感していただきましょう。
それは自立への経験にもなります。

売れていけば、作業への意欲も上がっていきますよ!

2.安いものを値上げせずに量をたくさん作っている

安くなければ売れないと思って、
その呪縛から、離れられない職員も非常に多くいます。
そのため、安いものをたくさん作り、
たくさん売る。

でも、単価が10円上がれば?
100円上がれば?とシミュレーションをしてみましょう。

いくらほしいから、いくつ売るという計画や、
1時間にいくつできるかとか、
そんなに作れないのでいくら上げるなどの、
計算は重要なことです。

薄利多売より、
少しずつ高くしていくことをお勧めします。

もし売れないとすれば、
高いから売れないのではありません。
安いと不安で買わない人もいます。
福祉業界を知らない人はその傾向です。

ほしいと思ったものは、
値段ではなく売れますし、
地域によってや、売り場によっては、
高くないと売れない商品もあります。

あなたの常識としている考えは、
施設の中だけで通用する、
おかしなルールであることに気づきましょう。

一般のお客さんと話してみてください。
安すぎという方もいます。

食品なら10円からあげる。
もし、10円が難しいなら、
量を多くして、30円上げるなど、
工夫もできますよ!

3.利用者の家族に一番売れている

ご家族が買うので、売れていると思っているようです。
でもそれでは、福祉的な売り上げにしかならず、
「家内循環」で、お金が回るだけになります。
つまり、
子供が働いて、商品を作り、
その商品を親が買い、お金を出す。
そのお金が工賃となり、
利用者(子供)に渡り、
そのお金が、家庭に持ち込まれる。
つまり、家庭の中だけしかお金が回らないのです。

さらに、買った商品は、
下手すると、タンスにしまわれ使われません。
そうなると社会に宣伝されることもありません。

売れる商品は、流通し、
人が使っているのを見て、
他の人もほしくなったり、
行列ができるから、
並んで買って食べようと思ったり、
あの人がおいしいといっていたから、
買うという消費者の心理があります。

親子で完結しているものでは、
そういう社会効果になりません。
ですから、社会一般に売れるものを作りましょう。

このように、
福祉業界では当たり前のことでは、
工賃は上がらず、社会で勝負ができません。
誰に売るのか、
どんな価格で売るのか、
そういう視点を持ち、
良いものを作り、
そのものに適した価格にし、
買いたい人に買っていただく
商品にしていきましょう。