何でもやってあげたくなってしまう支援者のみなさんへ



支援者には、人が困っている人を助けたいと
思う方が多くいらしゃるようです。

だから、困っていることを見つけると
助けてあげたくなってしまうのです。

何か物を落としたら、
拾ってあげたくなっちゃうし、
鼻水が出ていたら、
ティッシュを差し出してしまいたくなるし、
「あの~」といえば、
「○○がほしいの?」とばかりに
聞き始めてしまいます。

あなたは、
「今日もたくさんいい仕事ができたなぁ」
と思うかもしれません。

忙しく動いて、
人のために役だって、
充実感満載!

でも、ちょっと立ち止まって、
考えてほしいのです。

こんなやさしい支援者に囲まれていると、
彼らの「自立」は、
どうなってしまうのでしょうか?

「だってできないのだから、
やってあげないと!」

と思う方もいらっしゃると思いますが、
彼らができないことは
やってあげるとしても、
本当にできないのでしょうか?

何でもやってあげることだけが、
支援ではありません。

時間をかけたり、
工夫を入れたりすれば、
できることはないでしょうか?

例えば、
みんなで出かける時に、
みんなのほうが早く靴をはけるので、
それに合わせて
靴を履かせてしまっていると
いうことはありませんか?

例えば、
言葉がうまく出ないからといって、
言いたそうな言葉を、
先回りして言ってしまっていませんか?

例えば、
治具を作ればできそうな作業なのに、
経験もさせず、
職員のほうで、
パパッとやってしまうことはありませんか?

このような、
あなたのやさしさゆえの行動が、
彼らの自立を損ねることに
なっているのです。

「だってかわいそうじゃないですかー」

という声も聞こえてきそうですが、
あなたは、その方の一生に
付き合うつもりですか?

何でも手伝ってもらうことが
本当にその人の本意でしょうか?

立ち止まって、
自立というものを
イメージしましょう!

そして、その方の「自立」には
どんな支援が必要か?を
考えていただきたいのです。

まず、様子を見ましょう。

この部分ができていないからと、
どんどん手出し口出しを
している状態だと思うのです。

彼らが、何ができるか、できないか、
何に困っているか、困っていないのかを
確かめるということです。

支援があればできるのか、
はたまた、全くできないのか、
そして、支援を受けようと思っているのか
そうではないのかも、
確認もしていただかなければなりません。

そのうえで、どんな支援が必要かを考え、
実際に支援をしてください。

その時に、
ずっと同じことを
し続けることでもありません。
彼らのできることは
日々変わってきますので、
一番大事なことは、
確認をすることでしょうね。

どんな場合でもです。

そして、「見守り」という支援があります。
これが一番大事な支援なのかもしれません。

最終的には、
見守りつつ、
彼らがどこかで支援者を欲した時に、
間髪入れず支援をする。

ということにもなるでしょう。

支援とは何か?

やさしさと、
支援の違いを
考えられる、
一つレベルアップした
支援者になりましょう!