知的障害がある人の支援をしている人は、
人の人生に関わるからなのか、
また、
チームとして、
ひとつの支援をするからなのか、
迷うこと・悩むことが大きく、
そして、多いと思っています。
様々な悩みの中で、
ひとつの答えにも行きつかず、
「どうしたらよいのか」と、
考える方向性が、
よくある思考の形です。
「どうやったらよいのですか?」と、
人に聞いてしまうこともあると思います。
この言葉は、楽に正解が入りますし、
利用者支援をする上でも、
間違いが少なくなる質問ではありますが、
自分を考えなくさせてしまう
言葉になります。
やはり、
支援者なのであれば、
知的障害がある人の
支援に関することを考える時に、
「自分はどういう方法で、
していくのか?」
と、自分に質問をしてみることです。
たとえ、
その方法が、チームの中で
採用されなかったとしても、
自分だったら、
こうしてみたいという気持ちを持つことは、
だんだんに、
「自分の考え」というものを
まとめる過程であり、
ゆくゆくは、
「自分の芯」を作る材料となります。
自分自身が、
不確かな時というのは絶対にありますし、
それでも考えることを繰り返すことで、
自分自身(芯)というものは、
作られていくはずです。
どんなベテランと言われる人も、
最初があり、
悩み、間違え、怒られたり、
悔しいこともあったり、
そういう中で、
こうやったらうまくいくかな?と思い始めたり、
自分はこういう支援がしたいなと思うようになって、
今があるはずです。
皆さんも、
昔の私を知らない人もいらっしゃるでしょうけど、
私自身も、
22歳からこの仕事を始めましたので、
悩みつつ、
自分の支援はこうしていく
ということが決まった過程があり、
様々な方の支援を任せていただけるようになって、
今に至る考えも形成できました。
失敗していないわけでもなく、
利用者の皆さんには、
謝りつつ、
支援をしていたころもあります。
それでも、
自分は、やる。
自分は、できる。
そういう言葉は自分に
言い聞かせる言葉でしたし、
自分を強くできる言葉だったと思います。
他者がやっている方法で良いのか?
自分ならどうする?
自分がそうされたらどう思う?
この方法で良いのだろうか?
この考えは利用者を苦しめていないだろうか?
そう考えることは、今でもあるのです。
考えることは、
自分を作ります。
でも、考えているようで、
考えを持てない質問を
繰り返している人が多いのです。
自分への質問が間違っていると、
自分の考えを持つことから
遠ざかっていきます。
そして、「自分の考え方」にも
行きつかなくなってしまいます。
自分はダメなんだと考えていては、
何もうまくいきません。
今の自分でできることをすることです。
今の自分はこう考えると思うことです。
もちろん、それは変化させて良いことです。
他者の良い意見であっても、
他者の良い支援であっても、
その人の純正コピーをするのではなく、
その意味を知って、
自分の中で納得し、
支援をすることにつなげることなのです。
そういう過程があることで、
「自分の考え」が生まれます。
そして、一つ一つの場面で考えたことが、
「自分の芯」として形成されるということになります。
それは、どんな支援が入ったとしても、
支援者として関わるおおもとになり、
どんな支援にも変わらない「自分」となります。
考えがまとまっていき、
自分の芯となる。
そんな過程も楽しんでみてください。
簡単にできないかもしれませんが、
考えることをやめなければ、できていきます。
それは、障害者支援をする上で、
あなたの大きな力となるはずです。
支援を楽しみましょう。
自分の考えを持ちましょう。
そして、その先にあるものを
つかみ取りましょう!