考えを導き出す質問の力



「○○したいんだけど、
(△△だから)できないよ!」
この手の会話は、成功体験の少ない利用者から
多く聞かれる会話です。

「○○がしたい」という希望(夢)を言いつつ、
その直後に、
「(△△だから)できない」というということは、
理由が明確ではない場合もありますし、
「できない」という考えしか、
思い浮かばないからなのです。

それは、それまでの経験によるものですし、
失敗体験が多いと、
このように思うことも多いのかもしれません。

ひとりで考えていただくと、
やはり、様々な考えが
思い浮かばなかったりもしますので、
支援者が、道を指し示すことは
あるかと思います。

この時に、ご自身で考えられるのであれば、
こういう方法があるよと
言ってしまうのではなく、
考え方の入り口だけの、
導きをしたほうがいい場合があります。

きっかけ作りという感じです。

どうするかというと、
支援者からの質問で、
その人の考えを
導き出す方法です。

もう少し具体的にいうと、
「やりたいことをかなえるために
できることはなにか?」という
主旨の質問をすることです。

たとえば、
「映画に行きたいけど、
(きっと、ヘルパーさんが無理だから)行けない!」
という場合は、
行きたいことを確認し、
「一緒に行けるかどうか、
どうやったら行けると思いますか?」
と質問してみるのです。
「映画に行きたいのですが、
いつだったら一緒に行ってもらえますか?って
電話する!」
という考えが浮かんだりするかもしれません。

「謝りたいけど、
(謝り方がわからないから)謝れない」
だったら、
「謝り方をわかるためには、
何をしたらいいと思いますか?」
と質問し、
「謝り方を教えて欲しい。練習する」
となったりするかもしれません。

今までご本人がもっていたものとは
違うポイントを
考え出すきっかけづくりです。

質問の力で、
その人が持っている考えを、
引っ張り出していけるのです。

これは、コーチングの方法です。

できるように考えるための方法です。
できない理由を考えるためではありません。
できなくて嘆いている人を
慰めることでもありません。

そして、できそうにないことを
がんばらせることでもありません。

できることの中でやると
自分で決められることが
とても大切なことですし、
解決力も高まります。

ご本人が自分でできる事の中で、
できるように考えていただくために
質問というものを使った、
道筋の支援をしてみませんか?

ご自身で、考えが浮かぶことは、
行動することに積極的になりますから、
質問で、考えを導き出してみましょう!