行きたがらなくても、施設に通わないといけませんか?



障害者施設は週5日。
9時から16時とか、
10時から15時とか、
いろいろな開所時間でサービスを提供しています。

利用するということは、
基本そのすべてに通うことになります。

さて、そこで、問題です。

利用者は、すべての日にちとすべての時間を
施設利用しなければならないのでしょうか?

答は、NO!なんですけどね。

でも、そうしようと努力しているのは、誰でしょう?

たぶん、家にいられると大変なご家族と、
来てもらわないと経営的に困る施設。
(もし、そこは思わないとしても、
そういうものだろうとは思っている施設が多いです)

その双方です。

だから、特に重度の知的障害がある方は、
ご自身の意思を表現できないまま、
施設に通うものだということを
インプットされて、
朝はご家族に起こされ、
施設に行く準備をし、
施設に行き、
日中過ごし、
帰りの時間になったら家に帰る・・・

の、繰り返し。

それでも、施設に通う目的がはっきりしていたり、
施設に通うのが楽しかったり、
お金を稼ぐぞと、作業が楽しみだったりする方は、
いいのです。

問題なのは、
行きたがらない人たちです。

なぜ行きたがらないのでしょう?

行きたくない理由があるからですよね?

もちろん、行きたくない人が行きたくなるような
施設側の改善はするべきですけど、
障害があるからという理由で、
施設に行かせることだけに一生懸命になる必要はないのです。

週5日通うのが大変な人だっています。
1日5時間などの利用がきつい人もいます。

好きだから、といってもMAX利用できるとも限りません。

私たち支援者は、
そこに所属しなければならないという選択肢だけではなく、
その人の人生というものに、
もっと個別に焦点を当てていくべきなのです。

もしかしたら、施設に通うのではなく、
ヘルパーさんを使ったほうがいい人もいます。
施設に通うより、
カルチャーセンターのほうが、
教えられるものが
より本格的であっている人もいます。

そんなことにお金払えないというかもしれませんが、
そこはやりくりの部分だと思います。

おうちにいて介助度が高ければ、
すべて施設という、支援者側の論理だけでは、
彼らが彼らの人生の主人公じゃない気がします。

それから、所属意識は捨ててほしいですね。
この施設だから通わないという場合があるからです。
他の施設にしたら、ものすごく簡単に通い始めるケースもあります。
だって、絶対に何か理由があると思いますからね。

もちろん、障害に関してだけでなく
体力的な部分にも着目してもらいたいところですね。

どんな場合にしても、
その通いたがらない利用者の声なき声を聴き、
ご家族も施設側もなぜ行きたがらないのか?という理由を明確にし、
今のサービスでよいうのかを考えなおし、
その方により適した、サービスを使うようにしていただきたいと思います。

もしあなたが、その立場だったら、
自分の人生だったら行きたくないところには
行きたくないはずですし、
選んでいるはずです。

彼らにも、自分の人生の中で、
彼らなりの行動の理由があり、
選ぶ権利があるのをお忘れなく。