私たちは だましていないだろうか?



知的障害がある人は、
相手の説明の中身がよくわからないまま、
同意(契約)をしてしことは、
よくあることです。

ですから、支援者は、
様々な人にだまされやすいからと、
悪徳業者や営利目的の宗教などから、
守る傾向はあります。

では、守ろうとしている支援者自身が、
本当に彼らにだますことは
していないのでしょうか?

もちろん、だましているつもりもないでしょう。
という意味では、
言い方を変えれば、
わかる説明をしているのでしょうか?

職業的支援者も家族も、
様々な話を彼らにして、
中には、同意を得たり、
契約行為というのもあります。

話の仕方によっては、
ご本人の利益が得られるのではなく、
職業的支援者やご家族が、
利益を得られるようなことにもなるのです。

もちろん、先ほども書きましたように、
だましているつもりもなく、
きちんと説明をし、
同意をするかどうかの確認を取り、
ご本人からOKを取っているような方法です。

だましているなんて失礼な!と
怒られることだと思いますが、
結果論としてお話をしていきます。

彼らは、
本当に理解をしているわけではないことも多く、
返事だけは、相手に合わせてする事も多く見受けられます。

それだけ、支援者を信用しています。

ですから、契約ができているのです。

でも、さらに、
もう少し突っ込んで考えてみると、
彼らにわかる説明を
しているのかどうか、
私たちは常に問われていることを
後回しにしているかもしれません。

どうせわからないだろうと、
ざっくりとした説明だけで、
終わらせていないでしょうか?

全てをわかることは難しいにしても、
その中でも判断がつきやすいような
説明責任が、あると思うのです。

自分のしていることが、
その人にとって良いと思われることなので、
何も考えていないのかもしれませんね。

さて、特に、意思表示がない人には、
とっても難しいことなのですが、
でも、
昨日よりも今日、
今日よりも明日と、
私たちは、技術を磨き、
彼らに通じるように、
言葉や方法を選び、
彼らからのより多くの理解を得たいと思うのです。

「言葉がない=わからない」
ではありません。

今の時点では、結果的に、
理解が得られていないことは
多くあると思いますので、
説明をうまくすることができ、
ご本人が今以上に理解をして行けることを
目指したいものです。

単に書類全部にルビ(振り仮名)をふって、
説明した気でいませんか?

難しい言葉で書いてある書類を
そのまま読んでいるだけにしていませんか?

契約書類だとしても、
彼らにわかりやすい言葉で書いている事業所もあります。

イラストをいれたり
しているところもあります。

例を出して、想像しやすく
話しているところがあります。

説明した後に、
わかったのかわからないのかと、
丁寧に伺っているところがあります。

メリットデメリットを
話している事業所もあります。

少し経験していただいて、
再確認してみても良いのではないですか?
あの時OKしたけど、もう一度考えましょうか?と。

「△△しちゃいけない」と言う説明の仕方ではわかりにくいので、
「○○してよい」という話し方のほうが
理解されることを知っていますか?

これだけではないにしても、
あなたのいろいろな工夫で、
「より丁寧に」を目指してみませんか?

今以上に、
彼らの意見が出て、
以前と同じYESといったとしても、
全く違うYESになることでしょう。

結論から言うと、
彼らのわからなさは、
私たち次第で、
今以上のわかりやすさになるのです。

わからないよね?で始まれば、
結果的に、だましていることと
同じ方向性なのです。

自分の支援を立ち止まって考えるべき時は、
随所にありますね。

だましていないつもりでも、
そんな説明の仕方で、
あなただったら納得するものなのでしょうか?

言葉を、
もっと変えてみましょう。
ていねいさとは、
どんなことなのか。

彼らが理解すると、
どういう表情になるのでしょうか。

これは、契約の時だけではありません。
随所で気にかけるべきことです。

説明責任を改めて考え、
伝わることを意識して、
彼らに説明していきましょう!