課題を条件に変える手立て



知的障害がある人の支援をしていたり、
上司と部下の関係性のことであったり、
法律であったり、
障害者支援ということを仕事として行う場合、
「○○だからできない」という感覚を持つことは、
支援者にとって良くあることです。

この、
「○○だからできない」は、
どんな時に使うのでしょうか?

「利用者が重度だから自立の支援ができない」
「田舎の人里離れたところに
施設があるから職員が集まらない」
「専門性を持っていないから
虐待が止まらない」
「上司が、
福祉のことをわからないから、
話が通じない」

この手の話です。

良くありますよね?

だから無理。
だからできない。
どうしようもない。
やったってしょうがない。

そういう気持ちになるのです。

多数決の原理から考えると、
皆さん一律に
このように話しているわけですが、
ほんとうに、
この考えは正しいのでしょうか?

障害者支援は、
もう無理な状況ばかりで、
改善などできず、
このまま、
つらいことだらけなのでしょうか?

これらの「○○だから」
という部分に夢を語っても
無理なことは無理なのです。

夢を語ると言うことは、
この部分が変更できると
思っているのではないでしょうか?

変更できるけど、
変更できないから、
変わらないってことは、
無理なんだとなってしまう論理を、
皆さんよく使われていると言うことです。

ここが、ポイントなのです。

「○○」の部分は、
変わらないことだと
解釈してはいないですよね?

変わってほしいと
思ってしまうのですよね?

いやいや、
そこは変わらないのです。

変わらないから、
変わってほしいと願っても、
変わらないことなのです。

あなたは、
変えたいと思ってしまっているわけですから、
「○○」を「課題」だと思っていませんか?

「課題」とは、
改善できるものです。

でも、「課題」ではなく、
そこは「条件」なのです。

「課題」と「条件」は違います。

「条件」は、
その状態を受け入れるべきことです。
この「条件」のもとですることで、
そこが、変わることではありません。

その変わらない条件の上で、
何をすればよいかと
考えられれば、
あなたの対処の仕方は
変えることが出来るのです。

課題だと思うと
そちらに気持ちが
集中してしまいます。

練習で、
先ほどの「○○」を条件にしてみましょう。

「利用者が重度という中で、どんな自立が考えられるか?」
「田舎の人里離れたところに
施設があるから、どうやったら集まるか?」
「専門性を持っていない職員集団でも
虐待をなくすために何をすればよいか?」
「上司は、福祉のことをわからないけど、
そんな上司と一緒に
より良い福祉をつくるためには
何をすればよいか?」

など、考える方向が変わります。

今まで、あなたが、
解決しようと思っても解決できず、
無理だよね、難しいよねと思っていたことは、
多くのことが「課題」ではなく、
「条件」だったのです。

あなたが無理だ、
難しいと思うことがありましたら、

「これは課題なのか?変わるのか?」
「これは条件なのか?
条件であればその条件のもとで
自分にできることがなにか?」
という考えの方向性を持ってください。

条件を受け入れ、
その条件のもとで、
自分の考える部分を変えるのです。

課題か、条件か、
そのことをどんなふうにとらえるかが
明確にわかれば、
考え付くことも変わってきますので、
ぜひ、最初の入り口としてください。

変わらないことを
変えられないからと、
後ろ向きになることは、
気持ちもマイナス方向に行ってしまいますので、
もうやめましょう。