個別支援計画作成で得られる職員のチャンス



知的障害がある人の支援事業所で、
個別支援計画作っているところは、
どのようなシステムの中で、
作っているでしょうか?

もちろん、サビース管理責任者等、
その役割がある人が
最終的に作るのですが、
知的障害がある人を「主」としたときに、
全ての利用者の個別支援計画を
役割がある人だけで作るのか?というと、
そうではない方法も
見受けられます。

ですから、
山田が今までしてきた内容はどんなものか、
何故そうしているかを、
書いておきたいと思います。

あくまでも一例ですし、
こういう方法もあるということの紹介ですが、
ご検討の材料にしてみてください。

私のいた事業所の場合、
作るのは、
利用者の直接担当の職員です。
非常勤の場合もありますが、
その人に作っていただきます。

なぜか?

一番、その利用者のことを知っているからです。

連絡帳を読むこと、
ご家族と話すこと、
もちろん、
日々、その人と話すこと。

様々な場面で、
その人を一番知るべき人です。

そして、次に知るのはどの職員か?

それは一緒に活動をする職員です。

つまりは、支援職員です。
そして、看護師や、栄養士など、
専門職員も関わるはずです。

看護師はバイタルチェックの時などに、
栄養士は、給食を食べる際なども、
どんどん現場に入っていただきましたので、
専門職として持っている情報は、多々あります。

ということで、
結論から言うと、
直接支援をする者が
持っている情報を
集めて、作っていく作業なのです。

そして、その中で、
サービス管理責任者等も入り、
より専門的な視点で、
確認をしたりしていきます。

ここでは、担当職員や現場だけでは、
見えにくい、
大きな視点で物事を
捉えた内容にすることもあるでしょう。

例えば、
ニーズを考えた視点
将来を考えた視点
ご家族を考えた視点
自立を考えた視点
法解釈を考えた視点
などなど、
サービス管理責任者だからこその
「視点」をもって作り上げていくことだと思います。

たとえば、
今、目標にあげたことも必要だけど、
それよりも、
違うことを支援目標にしたほうが
ご家族も含めると、
良いと思われたり、
その目標をする前に、
別な目標にして、
スモールステップ化したり、
担当職員では気づきにくい部分もありますので、
もう少し大きな視野に立って、
見ていくことだと思います。

また、予算の関係などもありますので、
その辺りも管理者との交渉など、
する部分でもありますね。

ですから、
担当職員、
職員全体
専門職
サービス管理責任者等と、
役割が違うのです。

そして、管理者は
どういう立場でしょうか?

私の場合は、
全体予算や、
家族会からのご要望、
それから、
ひとりひとりは良いにしても
全体の中で、
支援のバランスも見ます。

特に支援の部分を多くしないと、
全体の利用者の関係性を含め、
支援が崩れていく場合もありますので、
その辺りを考えると、
ひとりひとりの
安定を主とした場合もありました。

前に進むより、
現状の維持が重要だったり、
健康などは後退しないような、
「維持」に勤めたほうが良いなど、
さらに、違った視点で、
職員たちに考えてもらうきっかけを作りました。

そして、「育成」にも力を入れるのは、
管理者だからです。

できる人とできない人がいます。

レベルも違います。
解釈も違います。
そういったひとりひとりの職員の
育成時間にもしていくところです。
そして、施設の方向性を
確認する場面でもあります。

その場限りの支援計画ではなく、
次の機会につながるものです。

この支援計画は、
利用者の自立のためではありますが、
職員の育ちの部分でもあります。

それをれの役割として、
この個別支援計画を通して、
よりよい支援の担い手に
なるチャンスをいただいているのです。

めんどくさいと思う人は、
この個別支援計画作成で
得られる様々なことを
活用ができていない人です。

個々の利用者のニーズ確認の場になります。
現場を知るチャンスになります。
集団の中の個を意識できるチャンスです。
専門職からの専門知識に触れるチャンスもあります。
自分の学びになります。
社会の流れも感じ取れます。
施設がどういう方向に行こうとしているのか、
感じ取ることもできます。
育成のチャンスとして、職員に向き合うこともできます。

さまざまな、チャンスのある
個別支援計画作成。

私は、個々の利用者の人生を大切にするために
大事な機会だけではなく、
職員同士も高めあう機会だと思います。

ただただ、
字だけ書けばよいものではなく、
それぞれの自分の立場で、
利用者個々の自立を想うことで、
自分の学びのチャンスとし、
積極的に作成の時間を
活用していただきたいと思います。