答えを持っているサインを見逃さない



知的障害がある人が、支援者に
何かを聞いてくることがあります。

その時の話です。

頼られた支援者であるあなたは、
自分の考えを言いたくなることもあると思いますが、
その人は、あなたに答えを求めているのでしょうか?

そうではない時があるのです。

たとえば、持病のある人が
市販薬を買った時を例にします。

「風邪ひいたから、
薬を買った。
でも、飲まなかった。
どうすればいい?」

「どうすればいい?」
と聞かれて、
自分の考えを言いたくなることもあると思いますが、
もうその人は、
「飲まない」と決めていますよね?

そこが盲点なのです。

「どうしたらいい?」と聞いてきているので
答えたくなりますが、
もし、そこで、
「飲む」方向で、
答えてしまうと、
「支援者に言われたから飲んだ」
となります。

質問なのか、
質問ではなく、答えが決まっているのか、
そのあたりの見極めですね。

その人からの会話や質問の中に
サインが隠れています。
ですから、すぐにこちらの答えを言うのではなく、
その人の会話を
もう少し広げていくことです。

私が良くするのは、
質問返しです。

先ほどの場合であれば、
「どうしたらいいと思ってるの?」と聞き直します。

すると、自分で自分の答えを言いますので、
そう考えているのだと言うことや
どうしてそう考えているのかを、
確認しましょう。

そのうえで、
あなたの考えを言う場合もあるでしょうし、
その人の考えのままでよいことを
伝えることもあるでしょう。

このひと行程を入れることで、
あなたの考えが押し付けにならずに、
ご本人に伝わっていきます。

そして、自己決定の支援となります。

彼らとの会話が、
何を目的にしているのか、
自分の伝えようとしていることが、
押し付けになっていないか。

そして、彼らが持っている答えを確認することを
怠らないようにしましょう。

そんなことを含みつつ、
ご自身の意見をお伝えになってみてください。

そして、もちろん、
メリットデメリットを両方伝えることや、
自分はそう考えているけど、
どっちでも大丈夫である時は、
そんな話を加えてみるとか、
彼らが考えやすく、
自分の考えに確信が持てるように、
また、経験がつめたり、
自立に向かえるように、
言葉を選んで、相手主体になるよう、
支援していきましょう!