とりあえず、支援の正解「仮基準」を作ろう



知的障害がある人の支援には、
これが最高の支援というのがあるのか?

よく答えがない仕事だといわれますが、
私は、答えはあるものだと思っています。

その答えは、
ご本人が持っているということ。
ご本人の障害に対して、
支援をし、
ご本人の満足度により、
私たちの支援の良しあしも
決まってきます。

料理人を例にしてみましょう。

自分では、
上手にできなかったと思っても、
食べた方が、
おいしい!と言って下さったことや
こちらが提示した値段を
支払っていただけたおかげで、
自分の評価が確定し、
この料理でよかったんだと思うわけです。

さらに、リピーターになって下されば、
もっと評価がわかりやすくなりますよね?
自分が出した料理は、
間違いではなかったと気づけるわけです。
要するに、お客様の満足度なのです。

そして、さらに、
もっと極めたい!
最高の料理を出したいと思い、
日々精進する料理人はいます。

正解がない訳ではないのです。
「ここが正解」と判断する「仮基準」を
料理人自身が持ち、
「それ以上」を目指していると言うことです。

さて、私たち支援者は、
どうなのでしょうか?

知的障害がある彼らにも、
「支援の満足」に達成した度合いがあるのですが、
なかなか、それを正解だと
言って下さらないわけです。

ですから、
ある一定の正解という「基準」も
持たずにしているので、
もっともっと、もっともっとと、
常にがんばるしかない支援者に
なっているのではないでしょうか?

先ほどの、料理人のように、
お客様からの評価を受けた、
「仮基準」のようなものが、
支援者にも
持てるとよいのですが、
あなたであれば、
どういうところに
「正解の仮基準」を
持って行くのかを
決めてみませんか?

たとえば、個別支援計画で評価を
いただいたものであるとか、
たのしかったやうれしかったと
言ってもらえたことなど、
自分で、自分の評価の仮基準を決めるのです。

支援をしている多くの人に
「支援とは、正解がない仕事だ!」
といわれてしまっているせいもあって、
あなたは正解がないと
思い込んでいるかもしれません。

正解があるのだと、まず、考えを変更し、
その仮基準を決めてみてください。

そして、まずはそこ(仮基準)を目指す。
そこまで行ったら、
それ以上の支援を目指す。

それ以上の支援ができていたら、
リピーターであったり、
ご指名であったり、
他の支援者から目標とされたり、
そういう自分の「極め」と理解できると思うのです。

少し安心感を持ちませんか?
「仮基準」ですから、
まず自分が納得する基準でよいのです。

仮基準を決め
さらに、その上を目指す。
でも、上を目指してばかりだと
辛くなるかもしれませんから、
あなたができる範囲でよいと思います。

楽に考えましょう。
基準を高く設定しすぎることのないように。

高くすればするほど、
本当に正解に行きつかなくなります。
なぜなら、自分を信じることが
出来なくなるからです。

そういう場合は、
他の人に決めていただくのも
よいかもしれません。

あなたが苦しくなっている時点で、
自分の使い方は間違っています。
上を目指すことが楽しみになるよう、
支援そのものも楽しんでいきましょう!