理由づけをして説明しよう



知的障害がある人に、
何かをしていただくときに、
理由を説明していますか?

もちろん、最重度と呼ばれる人たちで、
そういう難しいことは説明されても
わからないという人もいるでしょうけど、
本当だったら、私たちの説明責任で、
できる限りのことは、
していきたいところです。

ところが、知的障害のほとんどの人は、
理解をする人たちであるのに、
説明もなく、
これをして、あれをしてと、
することだけを指定され、
言われたことをやるという
繰り返しの生活をしている人が
たくさんいます。

これは、企業、施設、学校、ご家庭、
どこでも、起こりうることで、
彼らも、「なんでこれをするの?」
と聞くことができないために、
言われたまま、意味もよくわからず、
中には嫌なことだとしても、
やり続ける人は多く存在するのです。

私たち自身が、
何かを人に頼まれたときに、
嫌なことでしたら断われますし、
嫌なことでも、意味がわかれば、
やろうと決断できることもありますよね?

彼らも、そういう感情の流れを
自分自身の中で、
組み立てることは、
自立をする上で、
とっても重要なことだと思うのです。

また、意味が解ると、
応用がきくことにもつながり、
次に、同じようなことがあった場合に
一人でできたりもします。

「こういう理由だからやってほしいのだけど、
どう思う?」

「こういう理由だから、
やらないほうがいいと、
私は思っているけど、
あとは自分で決めて大丈夫ですよ」

「やってもいいし、やらなくてもいいし、
メリット・デメリットは、○○と△△だから、
自分で決めてくださいね」

本来、何か指示する時、
支援者のスタンスは、
上記のようなスタンスであるべきです。

なのに、
これをやってください。
これはやってはいけません。

など、
することだけ
指示する傾向にありませんか?

もしそういう傾向にあるのであれば、
やはり説明責任という感覚を
持っていただきたいものです。

思い出してください。

私のブログをお読みの方であれば
わかると思うのですが、
これをしてくださいと私が書いただけでは、
ご理解や賛同はいただけていないと思うのです。

でも、私が理由や背景など、
また、事例などを出すからこそ、
読者の皆様がご理解くださるし、
やってみようかなとか、
今までやっていたけど、
やめたほうがいいかなと
思われるところもありませんか?

私たちもそうですし、
彼らもそうなのです。

理由や説明は、
行動するうえで大切なアイテムです。

意味がわかれば取り組み方も変わります。

メリット・デメリットがわかれば、
嫌なことだからやめるといえることもあります。

そして、あなたが決めていいのだということを
付け加えるべきですね。
やってもよいし、
やらなくてもよいということです。

その辺りの選択肢を持てるように、
事前説明に力を入れていきましょう。

ひとりひとりにわかりやすく。
彼らが自分の人生の主人公となり、
自立していくためにも。