知的障害がある人への支援には、
準備が必要なことが多くあります。
これは、たとえば、
一人でできるようになるためだったり、
支援者と話すためだったり、
ものごとのメリット・デメリットを
理解いただくためだったり、
作業の手順であったり、
いろいろな場面で、
支援者側の
「準備」が必要ということです。
その準備には、
インターネットを使ったり、
視覚的支援の物品を作ったり、
作業がやりやすいような治具を作ったりと、
試行錯誤を要するものも多くあります。
この、「準備」をせずに、
行き当たりばったりでやり続ける場合には、
やはり、ニーズにそぐわないことも多く、
その場限りの時間つぶし的な
支援というか、関係性にもなりがちです。
ですから、
ひとりひとりがすることに対して、
活動が始まる前に、
準備を開始することで、
活動が始まってから、
スムーズに、
彼らが考えやすくなったり、
やりやすくなるのです。
たとえば、活動に必要な備品。
活動が始まってから、
何が必要だろうか?
と考えませんよね?
作業が始まってから、
職員同士で、
今一番にしなければならない作業を
相談しませんよね?
こういう打ち合わせ部分も含めて、
準備なのです。
もちろん、この活動は、
自立に向かっているか?の
確認も大事なことですね。
そして、
たとえば、私のいる施設では、
特に自閉症の方には、必須なのですが、
何も作業をしていない時間を
極力減らしています。
職員の準備不足で、
「ちょっと待っていてください」
という時間は、
いろいろな意味で、
時間ロスですし、
自閉症の人であれば、
何もすることがないだけで、
イライラする人もいるので、
ひとつの作業が終わる前に、
次の作業を用意しておいたり、
どうしても用意するのに時間が必要な場合は、
全く別の作業を提供しています。
何もしない時間が、少しでも減るように、
作業準備もするわけです。
準備というのは、
彼らと接することと同等なくらい、
重要なことなのです。
特に、治具や指示書を作ったり、
絵カード(コミュニケーションカード)を
そろえたりすることで、
全く違う人生になることさえあるのです。
そこを、ていねいにしていない結果、
彼らに理解を得られなかったり、
できなくなることが増えたり、
つまりは、自立度が低くなったりもするのです。
そして、チームで
支援を進めるためにも、
準備は必要です。
お互い確認しあって、
チームとしてやることです。
準備とは、予測も必要です。
ある程度予測し、
利用者の皆さん一人一人に接することです。
時に間違うこともあります。
さらに、事前に用意できない場合もあります。
そんなときは、
利用者の皆さんに謝りつつも、
待っていただくことにもなると思うので、
できるだけ、心地よい状態が保てるよう、
チームで役割を持ち、
その場を乗り切っていただきたいですね。
毎日、何気なくしているため、
「準備」と言うことを
あまり意識して考えていなかった人も
いることでしょう。
準備も支援の一環であるという、
認識を持ちましょう。
ていねいに準備をすることで、
結果につなげましょう!