新しいことを始める時は、やめてもよいことを先に伝える



知的障害がある方の個別支援計画や
何かの支援を始める時に、
やったことがないことを始めるのは
不安がつきものです。

その不安から、
やらないと言うことにもつながるようです。

また、やってみようかと思っても、
途中でダメになったらどうしようか?とか、
途中で嫌になったらどうしようか?とか、
そういう不安もあるのです。

これは、
知的障害があろうとなかろうと、
新しいことを始めることは、
勇気がいりますし、
ましてや、
人の顔色をうかがいつつ、
生活をするような気質をお持ちの方ですと、
はじめることで、
迷惑になったらどうしようか?など、
考えてしまう人もいることでしょう。

支援者は現状の課題を解決したり、
より良い生活に向かうために、
新しいことの提案をしているにもかかわらず、
困難な生活のままでも良しとしてしまう事は、
実は誰にでもあることで、
それだけ、
様々な部分から見ても、
新しいことをすることは、
相当のエネルギーが必要となります。

さて、そんな、二の足を踏んでいる彼らに
新しいことの提案をするときに、
こんな言葉を付け加えてはいかがでしょうか?

「嫌だったら途中でやめられる」

この類の言葉が入ってくることで、
どれだけ気持ちが楽になることか、
安どの表情に変わること間違いなしです。

つまり、私たちは、大丈夫と思って
提案をしますが、
彼らにとっては、
この先のいろいろな不安を一気に
考えてしまう事もあります。

もちろん、いろいろと考えてしまったことが、
理路整然としているわけではありませんので、
思考回路もごちゃごちゃしていることでしょう。

そんな時に、
「嫌だったらやめても大丈夫」
という、イメージが入ることは、
心強いのです。

実際は、
支援を丁寧にしていくことで、
その不安を取り除きつつ、
進めるようにしていきたい所ですが、
ぜひ、最初にこの言葉を
彼らやご家族に伝えましょう。

そして、スモールステップで、
はじめていくことです。

一気に行けそうだとしても、
そこは、スモールステップです。

安心を積み重ねることは、
不安を取り除くことにつながりますから、
ぜひ、相手の不安を確かめつつ、
進むようにしてください。

ちなみに、私が関わっている方で、
新しい作業を導入する時など、
不安になると、
おしゃべりの数が
ものすごく増える方がいます。

「大丈夫!」
「できるよ!」
「だめだったらやめていいから!」
「でも、できてきているよ!」
など、言葉をかけながら、
段々になれていくと、
おしゃべりが止まってきます。

最後に、無言になって、
作業が続き始めた時には、
もう、ご自身で、
安心して「できる」と
認識した瞬間のようです。

このようにわかりやすい人もいますが、
あなたの関わる人は、
どんな性格か、
そんなことも考えつつ、
無理なく、新しいことにチャレンジできる
環境を整えていきましょう!