好意を寄せられた場合の支援



利用者に好意を寄せられたら
どこまで受容したらよいのでしょうか?

と、お悩みが入りました。

悩ましい問題ですね。
そして、よくあることです。

こういう時に、
人の情が入ってしまうと、
ある意味相手は、今以上に勘違いしますので、
他の利用者と同じように、
支援者としての関わりでよいのです。

そして、他の職員だと動かないなどの
課題もあるかもしれませんが、
だからといって、
好まれている職員ばかりが対応すると、
やっぱり勘違いも起きるでしょう。

もうひとつの観点は、
やはり原因です。

なぜ、その人が良かったのか?

支援の仕方が良かったのか?
顔が好みだったのか?
そのあたりもポイントです。

もし対応の仕方が良かったのであれば、
ニーズが何なのか、
どんな支援方法が良いのか、
探ることが求められていると言うこと。

顔が良ければ、
単にファン化しているようですね。
ファンであれば、
それ以上にはなりませんと言うことは
お伝えしても良いのではないですか?

私がいたところでは、
社内恋愛禁止といってみたり、
頂き物(バレンタイン・ホワイトデー・誕生日)の禁止、
としました。

ある施設では、恋心は、収まらず、
手紙を出したいというご本人には、
出してみたらよいのではないかと提案しました。

手紙をいただいて、どうこたえるかは、
職員によりますが、
いわゆる、ウソやだます方法よりも、
自分はあなたと付き合わないことや
それでも職員として支援していく旨を
書いても良いのではないでしょうか?

自閉症の人で、
他の人と話しているのが嫌だといって
パニックになって
その職員に他害を繰り返した人には、
要望を聞き、
毎日5分間その職員と
話をするという時間を設けました。

これは、その職員がいなくなっても
他の職員で代替えとなり、
5分間の話は続きました。

恋愛だったとも言えますが、
そうでない可能性もありますね。
こだわりだったのかもしれません。

何か困ったことに対して、
やさしくしてもらえると、
それは「好意」だと
勘違いする人は、
知的障害の人でなくても
いますから、
そこに自分たちが合わせるより、
いつも通り、
そして、他の人にも支援の差をつけず、
「支援者」というスタンスで、
接していくことだと思います。

また、別な意味で怖いのは、
相手が好意を寄せているから、
必要なのだろう?と思って、
性的な関係に行くことです。

中には利用者の方が
職員を巻き込んでいく人もいます。
そこに、巻き込まれ、
あなたの方が、気持ちをフラットに
保てなくなる場合もあります。
そういう時には、
少し第三者的に自分の気持ちを見るようにしましょう。

さらに、性的虐待につながることもあります。
自分の欲のために、
「あっちが先にに手を出したから」など、
理由をつけて、
性的関係になり、
相手を利用する職員もいるでしょう。
あなたは、虐待者となることにもなります。

また、あなたが本心で、その人を
恋愛対象者としてみるのであれば、
その事業所は退職して行けばよいことです。
そして、お付き合いすればよいと思います。

支援者として、
その人と関わるのであれば、
自分は支援者であることと、
他者の支援とも対等であることを
肝に銘じつつ、
支援をしていきましょう。

良かれと思ったことで、
あとあと相手を傷つけることにも
なりかねませんので、
この手のことは隠さず、
職場の皆さんに相談しつつ、
チームで解決していくべきだと思います。