検品不良を職員が作る



知的障害者施設で、
作業を導入している施設は
たくさんあると思いますが、
その中で、
下請け商品・自主製品が出来上がり、
納品する前、お客様に出す前に、
検品作業をしていますか?

そして、その検品作業は
誰が、どのように、
しているでしょうか?

かつて、
私がいた施設で、
ふたつの大失態をしたのが、職員でした。
そのお話しからいたしましょう。

まず、納期まで1週間だったものです。
商品7枚を透明な袋に入れ、
封入をするという簡単な作業。

この作業が、私たちを苦しめるとは
だれも思わなかったと思います。

検品をしたのは、職員。

そして、1回目の納品をしたところ、
先方が、抜き取り検品をし、
数間違えの不良が見つかりました。

7枚の封入であって、
6枚でも8枚でもだめという
世界ですからね。

そして、納品した全ての商品が帰ってきて、
全部を検品をしたわけです。
この全数検品のために、
作業のバランスが崩れ、
利用者が作業をしたものであふれかえり、
そこから、1週間という期限が間に合わなくなりそうで、
毎日終電まで、職員が残業となりましたが、
職員も体が疲れ、単純作業に疲れ、
さらに、不良を作り出す存在に
なってしまうわけです。

何とか終わりましたが、
不良納品の恐ろしさを垣間見ました。

そして、ある施設では、
箱を組み立てる作業を利用者がして、
中の仕切りを入れつつ検品もして、
職員が箱のふたを閉めるということを
最終工程にしていたのですが、
この中身がない箱が、先方に納品され、
相手の企業からのクレームが入りました。

職員しかやっていないので、
誰がやったのか?と疑心暗鬼。
仲間割れにもなりそうな勢いでしたね。

この場合、やっている最中に、
利用者が声をかけたとか、
アクシデントが発生したとか、
電話が入ったとか、
そういうことが起きたのではないかと思います。

要するに、
職員は完ぺきな人間でもありませんし、
状況が変われば、
いつもできていることが
できなくなることは、
あたりまえのことだと
認識しておくべきなのです。

作業支援は、
何かをしつつ、
また別な何かをしていることが
通常の世界です。

誰かの支援をしつつ、
誰かのSOSに気づいていったり、
検品をしているときに、
検品だけを考えられる状況では、
ないのです。

と考えれば、検品中のアクシデントは、
絶対に発生しますし、
検品をしているから
他の仕事ができないという
状況判断をするべきではないのです。

だからと言って、検品をおろそかにして、
エンドユーザーのお客様に、
迷惑がかかるべきでもありません。
それこそ本末転倒ですね。

ですから、検品の時に、
自分たちを信じすぎず、
ヒューマンエラーを
どう防ぐか、どう対処するかを
常々考え、対応をするべきです。

そのためにも、この検品は
利用者ができる工程になるか?も
考えましょう。

私たち支援者がするよりも、
的確にできる場合も多いと思います。

工程に入れ込み、マニュアル化すれば、
できることもありませんか?

また、不良を作りにくい工程の開発や、
治具の開発なども手掛けましょう。

彼らがもともと不良を作りにくくなれば、
検品はなくなってもよいくらいなのです。

不良ありきではなく、
不良を作らない工程。

作業工程全てを検証し
職員検品を減らしていきたいところです。

検品は避けて通れない部分でしょうか?
もしそうであるならば、
誰がやるのか?
どんな検品の仕方で不良を減らせるか?
アクシデント対応は?
など、課題はあります。

利用者に不良を作らないような
作業支援によっても大きく変わります。

全体を見直し、
不良を作らない、そして、
不良のまま納品しない
作業支援・作業工程、そして、
職員体制の部分も考えていきましょう!

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1件のコメント

  • 成田昌俊

    孫娘の通う作業所で一時期、簡単な部品組み立てを受注していました。最初皆さんで手分けしていたそうですが、早くてミスが無いと評価していただき、最後は孫が一人で受け持っていました。単価が安く、時給では処理できないので、内職として家に持ち帰り、組み立てから検品まで一つ0.6円で処理していました。金属部品なのでリュックの重さは十キロほどになりました。それでも評価されたこと、役に立っていることが嬉しくて、喜んで作業していました。受注単価に見合った工程を組むことに合理性はあると思います。むしろ孫を信頼して任せてくれた職員の方に感謝です。やりがいのある仕事を与えてくれたと思います。

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