支援とは、何から変化をさせるのか?



知的障害がある人の支援をするというのは、
私たちの関わりによって、
何かを変化させるものです。

でも、多くの支援者が、
変化させるものを間違うのです。

何を変化させるのか?

あなたが
最初に変化させるのは、
ご本人ではありません。

最初に変化をするのは、
私たち支援者自身です。

そして、知的障害がある人たちを取り巻く、
環境やコミュニケーション
道具や人間関係など、
ひとつひとつの社会の部分でしょう。

周りが変わることで、
知的障害がある人のできることが増えたり、
自立に向かったりするわけですから、
知的障害がある彼らが変化するのは、
最後なのではないでしょうか?

でも、支援者は、どこを間違えているのか?

それは、知的障害がある人に変化を求め、
社会に対しては、
変化しないものと考え、
この社会に合わせるような「支援」をしてしまう事です。

これは、「支援」というより、
関わりといったほうが良いかもしれません。

社会に合わせるためには、
今の彼らの状態ではダメだと思い込み、
障害があってできないことを
強制的に直そうとしたり、
社会の常識や支援者の常識と
同じように行動をさせたり、
がんばりが足りないと怒ったり。

支援者自身がやってもいないようなことを
やらせてみたり、
できないことを
なまけているかのように言ったり。

たしかに彼らは障害があって、
できないことは多くあるでしょう。

逆な言い方をすれば、
できないことがあるのは、
障害があるからであり、
できないことが続くのは、
支援が行き届いていないからなのです。

でも、障害とは彼ら自身が障害なのではなく、
社会や人々の中にあるそのものなのです。

障害があるからできないことに対し、
私たちが支援というものをプラスすることで、
できることが増えたり、
考えやすくなったり、
暮らしやすくなるのです。

ですから、私たち支援者が、
目を向けるのは、
何を工夫すれば、
障害が減ったり、なくなったりして、
彼らが今以上に生活がしやすくなるか?です。

そこが最終的な変化なのです。

彼らの生活が変わるための
変化を見出すために、
彼らに直接アクセスしていることを
支援と勘違いしている事が多く見受けられます。

あなたがするべきは、
その人よりも、
社会やまわりに対してですし、
何よりも、
あなた自身が変化することです。

順番を間違えると、
知的障害がある彼らの変化は、
見いだせないでしょう。

なぜあなたが変化をするのかというと、
それぞれの人の障害は、
一人一人違うからです。
その人に合わせて、
何が必要かを見極める変化を呼び起こさないと、
支援を間違うからです。

最終的に知的障害がある人が変化をするのは、
自分の為、自立のためです。

社会の為とか
あなたの為とかではなく、
自分の為なのです。

もちろん、
彼らが変化することで、
また更に周りの人や
社会が変わる循環型にはなります。

そこは間違いありません。

さあ、最初に取り組むべきは、
彼らが困っていることの改善です。

困っている人が努力をするのではなく、
周りの環境や人に目を向け、
そちら側にある障害を取り除くことを
していきましょう。

彼らの持っている力が
今以上に発揮できるようになります。

何から変えていくかを
再確認してください。

そして、
彼らの力が発揮できないのは、
障害のためであり、
周りを変えていくことで、
彼らの力を発揮できる支援となることを
今一度、認識をしていきましょう。