障害者虐待:虐待を指摘できない


あなたは、
目の前で起きている同僚の行動が、
虐待ではないのか?と思っても、
虐待と確定できない自分ではないですか?

それもそのはず。

「虐待はこの行為です」と決まっていない。

「虐待なのか、
支援の一環なのか、
判断がつかない」

「もし間違っていたらどうしよう」

「もし間違いだったら、
その職員との関係性は悪くなる」

上司や先輩だったら、
「指摘できるはずもない」

「自分も以前、似たようなことをしたことがあるし、
人のことを言えない」

「虐待通報したら、
そのあとが、何かあるのかな?」

などなど、
色々な思いを巡らせ、
言わない方がいいのではないかと
結論付ける人もいることでしょう。

あなた自身に
確信を持ったものがなければ、
見て見ぬふりとなってしまうのが、
この虐待ですが、
その他でも、
職場の人との関係性の中で、
「相手に言えない自分」を
経験しているのではないでしょうか?

なぜ、指摘できないのか?

と質問したところで、
答えは出てこないかもしれません。

そこは、
あなたが、
あなた自身に対しての
質問を変えてみましょう。

どうしたら言えるのか?
どんな言葉なら言えるのか?
相手が反発しないのはどういう言い方か?
どんなタイミングで言おうか?

このように
自分に質問してみることです。

あなたは、
言った後の
あなた自身を心配しているから言えないのです。

でも、
あなたの言った後で、
荒波が立ったり、
心配にならないような言葉を
探しませんか?

もう少し具体的に言うと、
「虐待だよ」と
いわなくてもいいということです。

その行為が止まればよいのですから。

虐待に対して、
「虐待だよ」といわなければならないと
考えているから、
言えないのではないでしょうか?

言葉というのは、多種多様なのです。

「虐待だよ」ではなく、
その時の支援を変わってもよいですし、
とりあえず変わって、
あとで、その職員と、
良い支援方法を編み出しても良いのです。

先輩上司であれば、
「その支援の意味を教えてください」
などと、教えを乞うように言っても良いのです。

その人が落ち着いたタイミングで、
「虐待に見えてしまったので」と、
やんわり言ってみても良いのです。

利用者の人と
直接やり取りしているわけですから、
「何かあったの?」
と言ってみるのもよいですね。

職員同士で支援方法で話し合っている時に
例えば、
「たたいた方がいいんだ!」などと言う
意見が出てきたのであれば、
「それだと虐待になってしまうので、
他の方法を考えましょう!」と促す手立ても
あるのです。

黙っているべきでもありませんし、
かといって指摘できないのであれば、
それも問題です。

どんなアクションにしようか?

これは、決めておくことなのです。

もちろん、その時その時で、
あなたからのアクション内容は変わると思いますが、
虐待があってからどうしようと悩むことではなく、
シミュレーションをしておくことなのです。

あなたが上司であるなら、
虐待であることは、はっきり伝えましょう。
そして、他の方法で支援することを
導きましょう。

あなたが、部下・同僚であるなら、
先ほど書いた方法も有効です。

要するに虐待を止めることが重要なのです。

方法を、一つに絞らないことです。

虐待者とコミュニケーションをするために
もうひとつヒントを出しますね。

あなたがもし虐待しているつもりではない時に、
他者から見たら虐待であり、
どんな指摘の方法だったら納得がいくでしょうか?

あなたは一生懸命に支援をしている。
その時に、
虐待だよ!といわれたら、
虐待じゃないよ。支援だよ!と
反発することになりませんか?

で、あれば、
あなたも、
他者に「虐待だよ!」は、
反発されることにもなると思ったほうが良いのです。

自分が受け入れられそうな言葉を
他者から言われたほうが良いと思いませんか?

あなたが、
効果的に
他者の虐待を止める関わり方を探ってください。

もちろん、今、まさに虐待が起きている事業所であれば、
なおさらです。

方法を考えて、
シミュレーションをして、
相手を助ける気持ちで
落ち着いて接してみましょう。

明日からもその職員はそこにいます。
関係性を気にして何も言わないのではなく、
積極的に良い関係を保つために
虐待がなくなるコミュニケーションをとることなのです。

そして、もう一つつけ加えるのであれば、
その人が支援をしていたから虐待になりましたが、
あなたが関わっていても
虐待になったかもしれないのです。

たまたま、その人だっただけです。

なぜかというと、
行動障害がある人に
虐待が起きることが多いからです。

支援として始まって、
どこかで一線を越えてしまい、
虐待になるのです。
でも、その境界線は誰もわかりません。
だから、あなたも起こす可能性があるのです。

となれば、
虐待した人は、
支援の方法がわからず、
困っている人の可能性もあるのです。

明日からもその職員とは一緒の
職場で働きます。

その人がいる中で、
利用者の皆さんもまた
そこにいるのです。

あなたが思い描く一番目は、
自分の明日からのことではなく、
利用者の明日です。

そして、虐待をしてしまった人の明日です。

捨て去るような言葉を投げかけるのではなく、
仲間として、
一生懸命、支援をしようとしている、
その人の気持ちに
寄り添う言葉を探しましょう。

決して人を憎まず、
その行動を止めましょう。

指摘できない自分もまた、
虐待者と同等なのです。

止めるための言葉や行動を工夫し、
指摘できる自分になりましょう。