その人は お客様ではなかったのです


自主製品をお作りの施設で、
安くなければ売れないという
発想になっている施設が多くあります。

本当に安くないと売れないのでしょうか?

それは、高くしたこともない施設には、
わかるはずもないような気もします。

さて、お客様は、
どんな時にその商品を買いますか?

なんとなく買っているのでしょうか?
欲しくて買っているのでしょうか?
必要で買っているのでしょうか?

私たちがする買い物で、
なんとなく買うときは、
安いから買っているかもしれません。

必要で買うときは、
どんなに高くても
買うでしょう。

あなたの施設の商品を売るところは、
どんなところなのか、わかりませんが、
もし、単体でお店を構えていたり、
インターネットで、販売をしたり、
している場合、
わざわざお立ち寄りいただいたお客様です。

あなたの店の商品が、安いからだけではなく、
味が良いとか、
商品そのものがよいということで、
お立ち寄りくださいます。

なんとなく買っている人ではなく、
わざわざ買いに来る人であれば、
「この品物は自分が必要か?」に、
お客様は関心があって、
そのあとの「価格」なのです。

皆さんのお店は、
スーパーのように
何でもそろえてあるわけではないですよね。

ですから、何かのついでに、
あー、あれも買っておこうという流れで
いらっしゃるお客様ではなく、
狙っていらっしゃるお客様なのです。

もちろん、いらっしゃったお客様は、
すぐに何でも購入してくださる人ではありません。

吟味もしているかもしれませんし、
良いものがあったとしても
手持ちのお金がない人もいます。

たとえば、
パン屋さんで、
あんパンを買おうとしたけど、
なかったから買わないで帰ってしまう
というお客さんもいらしゃることでしょう。

その心は読めませんよね?

もともと、価格をいくらに
設定すればいいかがわからず、
価格設定に不安を抱える職員たちですから、
どうしても、売れない理由を
「価格」にしてしまいがちですから、
あのお客さんが買わなかったのは
高かったからだと、
いう心理状態になります。

そして、
「価格」を安くする行動に出てしまうのです。

ちょっと待ってください!

さっきも言いましたように、
お客様がなぜそれを買わなかったのか・・・
心は読めません。

商品が、ご自身にとって、
「この品物を自分が必要か?」
と、感じて買ってくださる。

もし、「この品物は(今)自分に必要ない!」
となると、お買いにはなりません。

そこなんです。

「この品物を自分が必要か?」
と、感じて買ってくださったお客様は、
「これ下さい。おいくら?」といわれます。

価格より、「この品物を自分が必要か?」
と感じる商品か否かです。

もし、そのお客様が、買わなかったとしましょう。
それは、価格のせいではありません。
「この品物は自分に必要ない!」
と思われたからです。

つまり、そのお客様は、
もともと、
お客様ではなかったのです。

勘違いして、価格を下げれば、
買ってくださると思ったのはあなたです。
もちろん、中には
「もうすこし、価格を下げてくれれば買うのに」
という人もいますよ。

でも、下げたところで買わない人もいます。
そして、そのお客様に売らなくても、
ほかの必要と感じたお客様が買ってくださいます。

一度下げると
何度も下げてほしいとやってきますから、
その人もお客様ではないのです。

価格を下げれば、売れると思っているみなさん、
思い切って価格をあげてみましょう!

逆に高級感が出て、売れるものもあるからです。
高いから本物だと思う心理もあるのです。

特にプレゼントにしたいような商品の場合、
安いと困るお客さんもいます。

もし価格をあげることに不安であれば、
一袋の中身の数を多くしてみるとか、
おまけをつけるとか、
ラッピングに凝るだけでも、
価格もあげられます。

ちなみに、私が「お客様」と言っているのは、
施設の関係者や利用者のご家族ではありません。
その方をターゲットにしていると、
価格も安くなってしまします。
いわゆるバザー価格というものです。

一般のお客様のことを
申しあげていますので、
間違いのないようにしてくださいね。

一般の方に売るために
自分自身の心理状態も
冷静に読み取りましょう。