「できない」のではなく「やったことがない」



知的障害の人に、
やったことがない新しいことを
始めてもらおうとすると、
できるかできないかが
わからないのに、
やる前に「できない」と
言って拒否をする方がいます。

「できない」と「やったことがない」

まったく違う言葉なのですが、

圧倒的に「できない」
という方が多いですね。

やったことが
ないのですから、
できないかどうかも
わからないわけで、
「できないのではなくて、
やったことがないんだよね?」
と聞くと
「やったことがない」というのです。

ですから、その時の気持ちは、
「やったことがないから不安だ」
とか、
「やったことがないから、
どきどきしている」
とか、
本当はそういう
表現のほうが
正しいのかもしれませんね。

なぜ「できない」まで
いってしまうのでしょうか?

やってできなかったら
どうしようかという気持ちの中に、
できなかったときに
支援者になんて言われるのだろう・・・
という不安が強いのかもしれません。

体験派の彼らは、
体験してないことは、
できない部類なのかもしれませんし、
「できない」と言っておけば、
やらなくて済むだろう、
という予測を
立てているかもしれません。

だから、飛躍して、
「できない」と言っている
可能性が高くあります。

できないのではなく、
やったことがないということなので、
やはり、経験をして
いただきたいと思うのです。

新しいことというのは、
不安になる人は多くいます。
できなかったらどうしようと、
不安なんでしょうね。

できるためには、
支援者の話も聞かなければならず、
話しが難しかったらどうしよう
という解釈もありそうです。

最終的に、できるかできないかは別にして、
支援者は、
そのためのリサーチをして
勧めているわけでしょうし、
やっていただけば、
ほぼできることのほうが
多いと思うのです。

経験を通して、
できた場合の喜びや、
前に進むための決断など、
何か感じていただきたいですね。

ですから、
私たち支援者は、
経験をしていただく入口を
もっと広く、様々な形で、
あけておかなければなりません。

伝え方によっては、
簡単にやっていただける人もいるので、
相手の心地よさを感じていただきつつ、
新しいことにチャレンジして
いただきたいものです。

経験を拒むことを
少しでも「できない」と言うことを
減らしたいですね。

また、やったことがなくても、
支援の工夫によっては、
できることも多くなるはずわけですから、
何をどのように
するべきなのかを考えて、
できるようにするのも
こちらの支援次第です。

「やったことがないけど、
やってみようかな?」
と、積極的に考えていただけるような、
誘いかけをしていきつつ、
実際体験して、
「できた」につながるのが理想です。

最初が肝心ですし、
「できない」といわれることもあると思いますが、
その時の切り返しを考えておきましょう。

もちろん、
ご本人の不安な気持ちに寄り添いながら、
ここちよい環境のもと、
支援をしていきましょう。