支援が必要かを見る大切さ



支援者が支援をするときには、
その人が、何の支援を欲しているかを
見て、決定して、実施するのが正しいやり方です。

でも、その人ができるのかできないのか、
もしくはできるとしても、
困っているのか、困っていないのかなどの
判断をせずに、
きっとできないだろうと思い込むことは、
正しくはありません。

支援者が、やさしさから、
良かれと思ってやってしまっていることが、
その人にとって
不要な支援をしてしまうことにも
なりかねないからです。

できれば、最初に
その人のニーズを取れれば一番良いのですが、
支援者のほうで、あれもこれもと
支援をしたがってしまう傾向が強くあります。

そのため、
本来必要なかった支援をうけることで、
「障害が重くなる」ことにも
つながっている場合もあり、
この支援者によって
「障害」を作ってしまうことにもなりかねません。

たとえば、
当法人の利用者の皆さんは
自立度は、高い方ですが、
開所当時、
お昼ご飯を買いに行くときに、
職員は安全のためにご本人につく形で、
お店まで行っていました。

こういったことで、
利用者の皆さんが職員を頼り、
普段なら、一人でできていることを、
職員に聞くようになってしまったりもします。
つまり、自立度は簡単に落ちてしまうのです。

また、普段どこに行くのも、一人でできる人が、
集団での行事の際に
職員の後をついていこうとすると、
降りるべき駅で降りようとしない。
職員が声をかけなければ
動かないということにもなります。

こういったことは「障害」を
重くすることにもなるのです。

本来なら、できることが、
集団性や職員がいることで
できなくなるのであれば、
本末転倒ですね。

私たち支援者は、
その人の自立を邪魔していいはずもなく、
できることできないことを見極め、
彼らがやろうとしていることを
待ってみて、様子を見て、
困っていたり、できないことであれば、
支援する体制を整えておくべきなのです。

彼ら自身も、
誰かに指示され動くことになれているので、
支援されることをしてしまいがちなのです。

先回りして、
なんでも良かれと思って
やってはいけません。

まず、ご本人の状態を見る力を持って
どこに支援が必要なのかを見つけ、
支援をすることです。

そして、その支援も、
すべてやってあげるのではなく、
ご本人が自立の方向に向かうように
するのです。

まず、支援が必要かを見ることが大切です。
そして、ご本人の様子を見ながら
支援内容を決めることを原則としましょう。

自分たち支援者側が、
もう一度「支援とか何か」を考え、
臨機応変に変化できるようにしましょう。