「話は聞いてるし、
理解力はあると思いますよ。
なのに、やらないんですよ」
支援者がいっていることや指示したことは、
理解しているはずなのに、
その通りにやらない。
こういう風に思ってしまう
知的障害者の支援者がたくさんいます。
「(ご本人は)理解しているのに・・・」
というフレーズは、よく聞きます。
そんなに理解力あるのか?と、私は思うのです。
彼らが何を考えているかは、
私たちからは見えないのですから。
もともと知的障害がある人は、
人が言った話は理解しにくく、
また、自閉症の人も、
言葉だけだとわかりにくいことも多々あります。
支援者が言ったことを、
うんうんと聞くものだから、
理解していると思い込んでしまうかもしれませんが、
本当に理解したかをあなたは確認しているのでしょうか?
彼らは、なんとなく、場の状況に合わせられるから、
支援者は、理解していると思ってしまうのでしょう。
そのことには、大きく分けると
2つの理由が考えられそうです。
まず、一つ目は、理解していないけど、
「うんうん」言っているだけ。
そうすると支援者から逃れられます。
そういうものだという場馴れしている可能性もあります。
この場合は、はいと言っているけど、
わかりますか?などの質問をしてみると、
よいです。
彼らの理解の度合いを確認することです。
そして、もう一つは、話しは理解した。
でも、それを実際に自分がするのは、
どうやったらよいかがわからないとか、
やる時期がわからないとか、
できない部分をどうやって
人に頼んでよいかがわからないとか、
また、本当は、やりたくないということもあります。
この場合は、実施する際の支援の部分を
確認すればよいのではないでしょうか?
理解しているのだから、
ちゃんとやって!と
言いたいと思いますが、
思っていることとやることは、
全て同じではないです。
ですから、
本当に支援者が思うほどのレベルで、
彼らは理解しているのかしら?
と思うのです。
そして、頭で分かっても、
実際の動きがわからないということにも
着目してみましょう。
理解しているはずのことを
やらない(できない)のは、
彼らがなまけているとか、
うそをついているとか、
そういう風に思いがちですが、
やっぱり支援者が、
もうひと工夫必要なのだと思うのです。
「それを理解しているのに、やらないのは、
彼らに非がある!」と思い込み、
彼らばかりに「べき論」を押し付けるのは、
いかがなものでしょうか?
支援者が、話した後、
実行するには、
支援のまだ途中だと理解してください。
支援は、途中でやめてはなりません。
また、支援途中で、相手のせいにしてはいけません。
まずは、見守ってみるだけでも良いと思います。
「彼らはわかってる」と思いたいのはあなたです。
確認を怠らず、
彼らのせいにせずに、
そのあとの支援の工夫をしてみてください。
表面的な部分にとらわれないようにしましょう。
そして、次の支援を考え、
きめ細やかにしましょう!
それこそ、支援者のほうが、
彼らのことを理解していない
ということなのかもしれません。