アイスとあんぱん



糖尿病だった知的障害の人。
医者から、
アイスは食べてはだめだと
言われ、
忠実に守っていたのです。

でも、
ある時に、
アイスは食べていないけど、
あんぱんは、食べていると言うことがわかりました。

彼は、
まじめに、
医者の言う通りにし、
アイスは食べていなかったにもかかわらず、
あんぱんを食べていたので、
症状が一向に改善せず、
医者もおかしいと思っていたようです。

職員から、
あんぱんもアイス同様、
食べてはいけないことを話したのですが、
彼は非常にびっくりして、
「先生からだめって言われなかった」と、
一生懸命説明していました。

結論から言うと、
彼は悪くありません。
正しく、医者の言う通り、
きちっとやっていたのですから。

では、なぜあんぱんを食べていたのか?

答は簡単です。

私たちの分類の中で、
アイスとあんぱんは、
「砂糖がたくさん使われている甘いもの」
であり、
それは、糖尿病には良くないものと
いう認識ですから、
「仲間」に分類されるわけです。

ですから、万が一私たちが糖尿病になり、
アイスは食べてはいけないといわれたら、
多くの人が、あんぱんもダメだろうと
予測するのです。

ところが、
この彼は、
アイスといったら、アイスだけしか
考えなかったのです。

何でアイスもあんぱんも同じだって考えなかったの?
と思うのが支援者の常です。

彼らは、
言葉通り取ることもありますから、
アイスは、アイス
あんぱんは、あんぱんですし、
想像ができにくい場合もあります。

でも、たしかに、
忠実に守っていたのです。

ですから、
そういう場合は、
甘いものという分類で話したほうがよかったのです。

もちろん、甘いもので、
わからない人には一つ一つの食品を
言ったほうがよいかもしれません。

私たちは、自分の頭の中に描いたことを、
彼らにわかるように
伝えなければならないのですが、
彼らがこれくらいのことはわかるだろうと
思い込むのです。

そこが支援者の間違いになります。

アイスとあんぱん。

全く違うものです。

さて、この、
アイスとあんぱんのような話は、
どこにでもあることです。

支援者は、
彼らにわかるように伝えることを
もっと気にかけるべきなのです。

これでわかるかな?
と、考えたり、
説明が足りているかな?
と、考えるべきなのです。

言い切って、あとは、ご本人が何とかするだろうと
思い込まないことです。

そして、ご本人に確認をするべきです。
わかったのか、
わからないのか?

また、意味を説明していれば、
ものが違った時に、
これはどうなんだろう?と考えるかもしれません。

彼らの理解がされないのであれば、
私たち支援者の説明が
わかりやすいものではないと
言うことなのです。

支援者は、
彼らに伝えた気になっていないでしょうか?
彼らが、自分からわかるはずと考えていないでしょうか?
そして、私たち支援者が、
自分のするべきことをせずに、
やった気になっいるのではないでしょうか?

様々な場面であり得ることです。
伝わる言葉であるのかどうか、
検証するべきです。

とくに彼のような病気に関わる場合は、
命にかかわります。

たとえば、そばとかの
アレルギー食品などもそうです。

彼らがだんだんに自分だけでも理解ができるように、
具体的・理解しやすくなどのポイントで、
話していくようにしていきましょう!

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