ヘルパーとの外出支援は、
基本は、利用者の方を
一人っきりにすることはないと思いますが、
どうしてもヘルパーが、何かをしている間に、
利用者の方が、いなくなってしまった
ということの経験がおありの方も
いらっしゃると思います。
親御さんもそうですね。
親御さんのほうがよくあることかもしれません。
トイレに行っていた
切符を買っていた
レジでお釣りをもらっていた
など、
ほんのちょっとの間に、
まさかの行方不明。
事故につながる可能性もありますから、
避けて通りたい道です。
その時に、親御さんやヘルパーは、
どんな言葉で、
待っていてもらっているのでしょうか?
「ちょっとここで待ってて」
この言葉をよく使うと思うのです。
さて、この言葉の盲点は、
ブログ「自閉症支援:ものの表現は具体的に」
に書いてある通りですが、
そこからあえて抜き出したのは、
あなたが思い描いている、
「ちょっと」、「ここ」で「待つ」という行為が、
自閉症の方のは、難しいことだからです。
「ちょっと」は、何分くらいでしょうか?
支援者は5分と思って、ご本人は1分だったら、
その差の間に不安になりますよね?
ですから、「ちょっと」ではなく、
「3分」や「時計の針が2の所」までなどの具体的なものにします。
そして、「ここ」という概念。
「ここ」ってどこでしょう?
この場所のイメージは、人によって違いますよね?
例えば、切符を買おうとして、「ここで待ってて」と言って
ご本人から離れた場合、支援者の考える「ここ」は、
今、ご本人が立っている場所ですね。
他の場所は、考えてもいないはずです。
でも、自閉症の人が、
「ここ」を駅の構内と考えてしまっていたら、
動き始めてしまうかもしれないのです。
ですから、「ここ」ではなく、
具体的な言葉で指示していただきたいのです。
また「待つ」という行為は、
支援者側からは、「いること」ですが、
自閉症の人には、
とってもわかりにくいのです。
ですから、するべきことを
指示してください。
たとえば、
「○色のタイルの場所に立っている」とか、
「この柱を触っている」とか、
そういうふうな言葉の方がわかりやすいのです。
ですから、「ここで待っていて」ということを、
より具体的にし、
どこかにいなくなってしまわないように、
したいものです。
「ちょっと」
「ここ」
「待ってて」
は、支援者が使う言葉としては、
非常に悪い言葉なのです。
何分間、どこで、何をしていればいいの?
ということがわかるように伝えるべきことです。
彼らにわかるような話をすることで、
行方不明にならないよう、支援をお願いします。