自閉症の人には、
様々なパニックの形があります。
破壊
他害
自傷
飛び出し
走りだし
飛び跳ね
大声 など
そのひとつひとつの中にも、
様々な形があります。
例えば、他害で言えば、
同じ人に行く場合と、
女性だけに行く場合と、
髪形や眼鏡が関係する場合なども
あります。
これらのパニック状態は、
なぜ起きているでしょうか?
そのことを知らない支援者たちは、
彼ら自閉症の人を問題とし、
彼らの行動を問題行動とし、
彼らを悪者扱いとします。
支援者は、問題とされた自閉症の人たちを
叩いたり叱ったりする場合もあり、
それは、その「問題」を
何とかしたいと思い、
一番効果的なものだと感じ、
最小限に抑えるためのひとつの方法と考え、
行っているようです。
そういうやり方が、正しいと思い、
自閉症の人たちの「問題」をなくそうと
努力しているつもりなのです。
さて、この行為に、
「虐待」という名前がついているにもかかわらず、
「パニックを止めるには、
これしか方法がないのだ」と考え、
自分のしていることを肯定する場合もあり、
「虐待」と気づかないのです。
そう思いたくもなりますよね。
なぜなら、そのパニックになったのは、
あなたの支援の悪さが原因とは
思っていない訳ですから。
さて、もうご存知の通り、
彼ら自閉症の人には、障害があります。
例えば、視覚障害がある人には、
情報の伝達や移動の保障といった支援があるように、
自閉症でパニックを起こす人にも、
それぞれの障害があり、
その障害に対して支援をするのが、
支援者のするべきことなのです。
でも、その障害に対して、
適切な支援ができていない時に、
パニックが起きていることをご存じですか?
彼らは、その不適切な支援を
「支援が不適切です。改善してください」
とは言えないので、
パニックという行動でしか、
訴える方法がないのです。
ですから、
「パニックはSOS」と捉えるべきなのです。
支援者の支援が、
その自閉症の方に適しているのかは、
一人一人違う支援なので、
それぞれに合わせることになります。
たとえば、言葉の使い方であれば、
文章で書いて伝えたり、
絵カードを使ったり、
写真を使うことがあるように、
それぞれがわかるものを使います。
このような適切な支援は、
自閉症への支援方法を
支援者自身が身につけることで、
改善できます。
車いすの押し方を学ぶように、
あなた自身が自閉症の方への支援方法を学べば、
パニックにつながらなず、
ご本人には不安がない生活になるのです。
パニックはSOSということを
まず知ることから、
自閉症の方への支援は始まります。
彼らにどんな障害があって、何に困っているのか、
それをリサーチするのはあなたです。
困っている部分が「障害」なのです。
そして、どうやったら彼らの困っていることを
減らしたり、なくす支援ができるのかは、
あなたの支援次第なのです。
パニックは、SOSであること。
あなたが叩くなどの暴力や暴言は虐待にあたること。
虐待につながらないような適切な支援ができれば、
SOSであるパニックはなくなること。
両者にとって、快適な障害者支援現場になるよう、
まず、パニックはSOSであるという認識から
支援を始めてみませんか?