夕方のスーパー。
保育園帰りの親御さんが
子供に「早くしなさい!」
と言っているのが聞こえてきます。
よくあるシーン。
歩くスピードはもちろん、
大人である親御さんの方が早いので、
必死で小走り状態でついていく子供。
親御さんは、そのあと夕飯を作ったり、
いろいろと忙しいから、
早くしてほしいのです。
この「早くしなさい」という言い回しは、
子供にとって、過酷な命令ですね。
正しくは、
「私のスピードに合わせてよ!」
っていう意味ですからね。
子供は、必死で早歩きしています。
親に怒られないように、
半ば、見捨てられないようにと、
自分だけで何かしているときの速さよりも、
親といる時の速さの方が必死!
かなりのスピードだと思います。
子供に合わせていたら、
ただでさえ時間がないのに、
やれることもやれないと
思ってしまうのでしょうね。
「早くしてるよ!」
くらいは反論しているでしょうけど、
子どもは反論できないでしょうね。
親が気づく部分なのです。
子供がどれだけ、速足で歩いているかを。
さて、これは、歩き方だけではありません。
成長にしてもそうです。
その子の成長は、
教科どおりではありません。
食事
トイレ
着替え
など、特に日常の生活動作は、
それぞれの成長に合わせ、
身につけていくわけで、
簡単になにもかもが
できることでもないのです。
早くするより、
確実にできたほうが、
良いと思いませんか?
特に心に余裕がないと、
「早くしてほしい」と思って、
手を出したり、
やってあげたりしてしまいがちなのです。
どうしても時間が気になるなら、
「早くしてよ!」
よりも、
「早くしてくれて助かるよ!」
のイメージの方がよいと思いませんか?
そこから始める親子関係もあると思います。
あなたのスピードの速さが、
子供たちにとっては、
理解できなかったり、
つらさを伴うほどの速さだったりするのです。
子供たちのがんばりは、
あなたが想像する以上かもしれません。
自分の速度に合わせた生活が中心ですと、
子供の成長を、
見る時間もまた
なくなるかもしれません。
大人は、自分が子供の時を
思い出せないのでしょうか?
自分がそういわれたら嫌だろうなあと、
そんなことも思うのです。
この子は、
自分のスピードとは違う。
そこが原点です。
同じなわけではなく、
合わせてくれているのです。
大人は、
自分のスピードに合わせてもらうのではなく、
子供に合わせる自分でいることです。
そのスピードの中で、
できることをする。
大人の時間に合わせているイメージを
考え直して、
子供とゆっくり接してみませんか?
とにかく、
大人を取り巻くスピードが速すぎるのです。
せっかく、子供のスピードに
合わせられる時期なのですから、
その時を大切にしてみましょう。
昨日見えなかったものが見えてきます。
子供を観察するのも楽しいです。
こんなことできたの?
こんな言葉が言えるの?
子供時間に合わせていると見えてくる瞬間です。
成長を楽しみましょう。
深呼吸をしましょう。
そして、すこし、草木や空を眺められる時間も
大切にしましょう。