ひとり立ちを意識した子育て



知的障害がある人の自立のために、
支援をするというのが、
障害者支援の原則ではあるのですが、
子供を育てていると、
自立という言葉より、
ひとり立ちという言葉のほうが
しっくりくる親御さんも
いらっしゃると思います。

障害があるなし関わらず、
親は、子がひとり立ちできるようにと、
育てているのではないでしょうか?

もちろん、障害があるお子さんの場合、
今まさに、
何もできないのではないかと思うような
こともあるでしょうから、
まさかこの子がひとり立ち?と思うことがある
親御さんも多いかもしれません。

ひとり立ちも
自立も
同じ方向のイメージで
良いのだと思うのですが、
私たち人間は、
生活をする上で、
誰からも何も関係性や支援を受けずに、
たった一人で、
何でもできる人は、いないのです。

ですから、
障害がある人の
自立を考えたときに、
なんでも、一人でできるようになることではなく、
自分でできないことは人と関わりつつ、
していくことも、
自立だと解釈をしてください。

そのうえで、
あなたのお子さんが、将来的に
人と関わりながら、
自立をしていけるように
親として、今から
子育てをしてほしいのです。

障害があるから、
私が一生面倒みなければと
考えている方もいらっしゃると思いますが、
その考えは、よいとは言えません。

どんなに障害が大きくても、
親がいつまでも
一緒にいるわけではありませんので、
お子さんが、支援を受けつつも
ひとり立ちできるように
小さいうちから
考えていただきたいと思うのです。

まず、お子さんができることに
注目していただきたいです。
そして、やりたがることにも
注目していただきたいです。

できることを伸ばす。
できないことは、
何を工夫するか?(支援)という視点を
持っていただきたいです。

いろいろな経験をさせてあげてください。

その中で、興味が出るものがあるでしょうし、
嫌だと表現してくれることもあるでしょう。

子育てって、
将来を思い浮かべつつしますよね?

どんな大人になってほしいかな?

イメージとしては、そこです。

そのために、
毎日の関わりがあって、
その積み重ねで、
できるようになったり、
力が伸びたりすると思ってください。

でも、障害があること親御さんと、
一般の子の親御さんと違うところがあります。

「きっと、できるようにならないよね?」
「私がしなければならないよね?」と
自分に質問をしてしまっていませんか?

この質問は、
自分自身にするべき質問ではありませんね。

この質問をしてしまうと、
子供のできることを探すことなく、
親がやったほうがよいという
感覚に陥る質問だからです。

本当に無理なのでしょうか?
可能性はないと思っているのは、
なぜでしょうか?

それは、あなたが、
今、大変な思いをしているからでしょうし、
さらには、大人になった時の彼らを
想像できないからではないでしょうか?

私は大人になった知的障害の人たちと
接することが多くありますが、
やはり、
どれだけのことを経験しているか?は、
その人の人生に大切なことだと
思っています。

障害の大きさではなく、
経験値の大きさだと思うのです。

子育てには、ストレスもつきもののようです。
それは自分が自由にならないという
感覚があるからだと思います。

でも、子育ては楽しいこともたくさんあります。
できるようになったり、
こんなことするの?とびっくりしたり、
まさに、変化の宝庫です。

あなたが、
子育てから解放される日を必ず
思い描いてください。

そのうえで、
ひとり立ちしていく彼らを
見守れる親になりませんか?

今ある関わりは、
お子さんを育てるためのものです。
そして、
あなたが、子育てから解放されるためのものです。

いつまでも子供が一緒ではない、
自分が自分の人生の主人公にするためでもあります。

ひとり立ち
自立
親離れ
子離れ

そんなことを思いつつ、
子育ての中に
楽しみを見つけていきましょう!

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