就職を阻む壁は支援者にありき



知的障害がある人の
就職の支援をする際に、
その前段階にある施設や学校、
就労系の支援センターなどが、
その人のできること、
できないことを
評価していく段階があります。

この中で、
就労Bや生活介護施設では、
まだまだ、就職という部分に
着手しにくい状況はあると思います。

担当職員がいないという人的なことより、
職員自身の気持ちで
邪魔をすることがあるからです。

それは、この利用者が、
就職先でうまくやれないだろうという決めつけから、
就職に前向きではない状態になるのです。

心配なのだと思います。
福祉サイドの物の見方で、
いろいろな感情が現れます。

できないことが多すぎる
まだまだ早い
会社に迷惑がかかる
あいさつができないからダメだろう
就職がダメになったら、もう戻る先がない
もうちょっと、ちゃんとしないとだめだ
重度だから迷惑かけるのではないか
もう少し、施設でなれてからの方がよい

そして、こんなことも思います。

ご本人が就職をしたがってない
ここにいる方が楽しいと思う
健康に課題があるよね
就職されたらうちの施設が回らない
人間関係が、難しいだろう

そういういろいろな思考の中で、
「就職」を全く度外視して、
考えてしまう訳です。
すると、
就職活動はしないことにつながります。

彼らは、職員から
経験を後押ししないと、
新しいことには、
チャレンジできにくい人たちです。

経験の場を持つことは、
次につながる可能性にもつながりますが、
職員が、経験の場を作らなければ、
次につながる可能性は、
低くなるのです。

そして、その人が
就職先でうまく行くかどうかは、
職員が決めることではありません。

先方の考え方次第の所がありますので、
例えば会話が出来なくても、
就職できることもありますし、
休みがちな人でも就職先とマッチすることで、
休まなくなる人もいます。

私たちの感情で、
就職を阻む壁を作るべきではないのです。

その人には、何が出来るのだろう?
というポジティブな思考を持つことです。

できないことや失敗してからのことを
思い浮かべるのではなく、
先方に任せつつ、
支援の手助けをするような気持ちで、
就職できるところがあった時に
すぐに送り出すことが出来るように、
日頃から、
就職ありきで考えることです。

そして、
就職した時に、
何が一番必要かといえば、

SOSを言うこと
わからなければわかりませんといえること
できれば、わからないことを聞けること
教えてくださいといえること
ありがとう・すみませんでしたが言えること
なのです。

ただし、このことは、
できない部分があっても良いのです。
要するに、会社で、
その人が上司と話をしようと思えれば、
多くの壁はなくなります。

ですから、私たち支援者は、
上司とコミュニケーションができることを
身につけていただくことを中心にして、
言葉がなくても、
重度だからできないとか、
こういうことが出来なければ、
就職できないと決めつないことです。

あなたの施設に、
人財という宝が眠っていませんか?

あなたたち支援者が抱え込んでいては、
日本という国にとっても損益になりかねません。

自分の施設、
その人の今だけを大切にするのではなく、
その人の将来や、
他の知的障害がある人たちの未来をも
思い浮かべ、
就職という世界の門を開いてみましょう!

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