知的障害がある人は、
今、自分の体が
どういう状態かということが
わかりにくかったり、
わかっていても、
それをどのように表現し、
支援者に伝えるかが
わからなかったりするために、
病気そのものが重くなることにも
なりかねません。
日頃から
健康を意識できるかというと
そうではないですし、
相当体調が悪くても、
休むことさえできない人もいます。
その中でも、
できるだけ、
自分の体に興味を持ち、
今、調子が良い、
今、調子が悪い、
どこが痛い、などの
感覚がわかるように
なってほしいとも思うのです。
病気になり、
将来、ひとりで病院に行くにしても、
医者から指導されたことが、
結局は、何を言われたのか
わからないことも多々あります。
病気によって、
自分の体がどうなっているのか、
体を健康に戻すために、
今から何をすればよいのかを
関心を持つことから
できるように
なっていただきたいのです。
薬さえ飲めば、
今までと同じ生活をしていても、
直るのだろうと
勘違いしている人もいます。
正しい情報は、
なかなか、
ご本人に理解しやすく
入っていない状態で、
これを少しでも、
理解しやすくには?と
支援者は工夫をして
いかなければなりません。
お勧めするのは、
インターネットを使ったり、
文字や絵で説明をする。
お人形や絵本などもいいですね。
つまり、視覚的な支援です。
様々な情報がインターネットを通して、
絵や写真、動画などを使って、
その病気の説明をしてくれています。
TVの番組などを使うのも良いかもしれません。
彼らにわかりにくいのは、
言葉だけで説明するからです。
特に医者に行ったときに、
いろいろ説明され、
「だめだよ、そんな生活」
といわれ、
「ちゃんとやらないと、だめだよ」
としかられ、
「わかりましたか?」
と念を押される。
わかってないけど、
「はい」と返事した彼らは、
薬さえ飲んでいればいいと勘違いする。
生活改善は、
本当に一人の力では、
できにくいことだと思います。
でも、ご本人がいやろうと思って下さらないと、
いやいや制限をさせることにもなりかねませんから、
ご本人の病気に対しての関わり方は重要です。
病気といっても目に見えず、
痛みも伴わない病気もありますから、
それを改善するようにと
いわれても、
想像すらできないこともあるでしょう。
ですから、
その人に関わる
支援者が必要なのです。
どんな生活の仕方、
どんな食事の仕方、
薬の飲み方、
身体の休め方、
様々な部分を
わかりやすく
説明できることです。
使えるものは何でも使うべきです。
たとえば、
塩辛いものや油ものばかり食べている人で、
医者から高血圧の薬も処方されている人に、
脳梗塞になったら大変だよと説明した時に、
どんな症状かわからなかったので、
近所に、身体の片方が動かなくて、
つえをついている人はいませんか?と
聞いてみたところ、
理解し、
「あの人みたいにはなりたくない」と
考えた人がいます。
身近なところに、
理解を促す事例があるのであれば、
使っていくべきです。
視覚的に理解し、
自分はどんな生活を送りたいかを
一緒に考え、
生活の改善などを促していくことです。
実は1度くらい促しただけでは、
彼らの改善には、つながりませんが、
相当の危機感をご本人が感じた時に
改善しようと思われることでしょう。
今、健康だと思っている人でも、
体の中で、
何が起きているかはわかりません。
生活の仕方によっては、
病気になってしまうことを意識し、
自分の体の中で起きていることを
表現できたり、
今の状態から脱するために、
どんな生活をしていくかなど、
考えていくことは、大切なことなのです。
でも、残念ながら、
「病気」については、
まだまだ支援の遅れている部分です。
まず、病気を
知ってもらうところからですが、
残念なことに、
もうすでに病気になっている人が多すぎるのです。
病気になってからではなく、
若い頃から、
病気にならないような体づくりや食事面でも
意識を持っていただくことを含め、
視覚的なものを使って、
関心を持っていただくよう、
積極的に支援をしていきましょう。