知的障害がある人たちは、
支援者のことを
どう思っているのでしょうか?
私たち支援者から見ると、
対等だとかそういうことを
言っている人はいますが、
実際に
彼らが私たち支援者を見る時に、
どうしても上の位置の人と
見ている人が多いようです。
それは、
支援そのものを、
お世話になっていると感じていることや、
ほめられたとことでも、
その人に認めてもらえたという瞬間になり、
上の人と見てしまう。
また、注意を受けることもあったり、
まちがいを正されることもあり、
そういう場面でもやはり上の人と見る。
虐待などがあれば、
さらに恐怖になる。
対等という関係性は、
支援者が思うよりも築きにくいのです。
さて、そんな彼らから、
私たちの間違いを指摘する場面などは、
皆無に等しいですね。
私たちが間違いをしたのであれば、
やっぱり言ってほしいと思いますし、
そういうことが言えてこそ、
対等な関係にも近づくと思うのです。
では、なぜ彼らは、
私たちが間違っていることに気づきながら、
苦言を言って下さらないのか?
虐待があった時に嫌と言えないのか?
そういう視点を持って行くべきだ思うのです。
そんな「意見」や「苦情」が
言える人になるには、
支援をしていかなければなりません。
たとえば、意見箱を置いている
施設もあります。
そこに利用者の意見が入るのは、
1年に1回ありますでしょうか?
職員もそこに入っている気もせず、
最近箱を開けたのは、いつでしたか?
そんな機能をしない意見箱は、
意味がないですよね?
あれば入れるわけではなく、
何の紙に、
何を書き、
いつ入れるかまで、
そして、職員が開封するのはいつで、
皆さんにも改善の報告をすることまで
伝えないと入れられません。
ですから、意見箱に意見を入れることも
支援なのです。
そこをせずに、
意見がないから、
うちの施設は良い施設だと
思うほうが間違いです。
職員の行動を
どう思っているかを
言える手段を
支援していきましょう。
そのためにも、
嫌なことがあったら
言ってほしいという旨を、
常日頃から言っておくことです。
そして、何度も言うことです。
直接意見を聞くことも大切なことです。
今日の活動で、
何か嫌なことはあったかを
確認することです。
「今日の活動は楽しかったですか?」
とばかり聞いていては意見は出ません。
「職員の嫌なことはありませんよね?」
などと言う質問の仕方も良くありません。
質問の仕方は、
とっても重要なのです。
「今日の活動は楽しかったですか?楽しくなかったですか?」
とか、
「職員の嫌なことはありましたか?ありませんか?」
などと言うように、
両方を言うようにするのも、
良い方法です。
また、例を出して伝えることも有効ですね。
「あの職員、廊下を走っていて嫌だったよね?」
とか、
「間違ったら、職員もごめんなさいっていうべきだよね?」
などと、
利用者と話してみることです。
職員は悪気なくやってしまい、
気づいていなくても、
他の職員からは、
その利用者が嫌だなあと思っている表情などを
見ることが出来る場合もありますので、
そういった時は、
別な職員が、
気持ちを確認する時に、
あえて、話してみることです。
さらには、
「一緒に行ってあげるから嫌って言ってこよう」と誘って、
「今度から、○○ちゃんと呼ばないでください」など、
一緒に言いに行くことです。
こういった、小さいながら、
職員が第三者的に関わり、
言いにくいことを発信していくことで、
「意見を言う」になれていきます。
そんな練習のような支援をしていくうちに、
「○○さん、何か意見はありますか?」だけで、
「今日、○○と話されて嫌でした」などに
つながっていくのです。
今まで、言えなかった人はこれからも言えません。
いうためには支援が必要です。
この支援はまだまだ主流ではありませんから、
あなたの施設から、やってみてください。
そして、利用者の意見で改善できることは
改善してい区と他の利用者にもわかるようにして、
他の方のご意見も引き出すように
していきましょう!