知的障害がある方が、
覚えることが難しいので、
様々なスキルを身に着けるのは、
ご自分だけでは難しいことのひとつ。
そこは、
支援者側の工夫が必要なことです。
でも、興味を持っていることは、
すぐに覚えますね。
たとえば、人の名前を
覚えることが難しい人が、
電車のことなら、よくご存じで、
どこまでも行けてしまい、
漢字が読めなくても、
駅名だけはしっかり読める人もいます。
興味関心というのは、
人を動かす原動力ですね。
彼らがどういうことに、
興味があるのかは、
もともとご本人だけではなく、
支援者が知らないことも多いので、
お子さんの場合は、
いろいろな分野の体験は
させていきたいところです。
嫌がることはさせるのはいけませんが、
経験がなくて、
嫌がっている場合もありますので、
支援者が先にやって見せて、
興味の度合いを確認したほうが
良い場合もありますね。
その際に、ちょっと興味ありそうだったら、
やってみる?などと誘ってみることも必要ですね。
趣味だったら、このような緩やかな中で、
経験を中心に考えられるのですが、
いざ、日常の生活に必要なことや
学習や作業に必要なことになると、
支援者の気持ちは、
できないことに焦りが出て、
怒ってみたりする様子が見受けられます。
ご本人は、興味があるなしにかかわらず、
日常の生活に必要なことや
作業に必要なことなどを
覚えていただくことになるので、
支援者が、もうだめだと思うのが早いか、
彼らがスキルを身に着けるのが早いか、
どちらによるかで、
そのスキルを身につけられるか、
どうかが決まってきます。
私の中で、長い人は、
1年以上かかっていると思っています。
3年たっても覚えられない人も
いるかもしれません。
でも、確実に少しずつ
覚えていくことができます。
それは、繰り返しの中で覚えるのです。
覚えないと言っても、
まず、できない人と
いつかできそうだという人では
違いがあるよう見受けられます。
まず、取り組むか取り組まないか?
そして、ある工程だけはすぐにできたり、
すぐではなくてもやろうとしたり、
ほんの少しずつでも、
ステップアップしようとしている場合です。
たとえば、パンツを一人で履くにしても、
やる気があっても
片足で立つバランスが、
うまくなければ立って履けませんよね?
そういう、やる気とは別なところに
できない理由がある場合は、
身体のバランスを取れるようにするとか、
座って履くとか、
別な方法を提示したいところですし、
立っては履かせたいのであれば、
バランスを取る手段や、
体作りも必要になりますよね?
繰り返してやっているうちに、
バランスが取れるようになることもありますし、
それは、1回で結論付けることではありませんし、
ゆっくり、その人のスピードで、
進むことです。
私たち支援者は、
できないことへの嘆きや、
他の人と比べて、
急がなければと思う必要はありません。
その人のスピードや関心に合わせて、
嫌な雰囲気ではなく、
やりたいなと思うような
環境の中でそのスキルを
獲得していただきたいものです。
これは、生活の動作だけではなく、
作業などにも言えることです。
繰り返し、繰り返し、
経験することですし、
私たちが焦ることではありませんし、
できないことで
私たちが、イライラすることでもありません。
私たちが繰り返してできたこと。
例えば逆上がりとか。
最初から簡単ではなくても、
やっているうちに体がだんだん振れるようになって、
最後にはできる。
このような、経験して繰り返して、
できるまでの時間がかかります。
支援者が、
投げ出さないことです。
怒ればできることではありません。
ここちよい雰囲気の中でしか
やってみようとしませんし、
時間はかかることだと思ってください。
支援者がイライラするようなときは、
もういちど、意味を考え、
こころを落ちつかせて、
関わっていきましょう。