知的障害がある人は、
様々なことをする場合に
できないことが、
支援者よりも多いのですが、
これは、支援の仕方によっては、
覚えたり、
できるようになったりが
顕著に表れます。
私たちが、これくらいできるだろう?
と思い込み、提示することが、
彼らにとっては複雑だったり、
量が多かったり、
そういう彼らにとってのわかりにくさから、
彼らは、
できなかったり
覚えられなかったりしています。
例えば、
私たちが、何かを覚える時に、
紙に書いてあったほうがわかったり、
写真があったほうがわかりますよね?
ないなら、自分でメモしたり、
いろいろ工夫をします。
もちろん、そういう情報を
自分で取ろうとできますし、
難しければ、
何かで調べることもできます。
彼らはまず、そういう部分にも困難さを
抱えているにもかかわらず、
支援者から出す情報は、
彼らにとって本当に
わかりやすいものかというと、
そうではないのです。
ですから、わかりやすさのために
配慮をするということなのです。
では、具体的に、
どういう配慮をすれば、
彼らはわかるのか?
それは一人一人違いますが、
まず、情報を
分割することをお勧めします。
行動ややることを
全て教えるのではなく
一部ずつ伝える(教える)ことで、
できるようになったら、
また次を伝える(教える)。
そういう分割で教えていく方が
わかりやすいのです。
具体的にいうと、
ケーキをみんなで分ける時、
必要なお皿やフォークと
飲み物を用意することを
同時に言っても難しくなりますが、
お皿を用意する
フォークを用意する
コップを用意するなど、
いくつかに分割することで、
一つ一つができるとなり、
彼らのできることが増えるわけです。
このように一連の流れを分割することを
スモールステップといったりもします。
また、治具や指示書などを、
使うことで、
わかりやすくなります。
先ほども、自分たちの例を出しましたが、
彼らにも視覚的な指示書や治具があることで、
わかりやすくなります。
どうしても言葉は、
消えてなくなりますので、
記憶にとどまりにくく、
流れていく言葉を
とどめておくことが
できない場合があるのです。
だからこそ、
視覚的にとどまるような指示で、
繰り返し見ることができるものを
ご用意いただきたいと思います。
どうしても言葉がわかっていると
支援者はそこに頼ってしまいがちですが、
ぜひ、視覚化を配慮してください。
そして、怒らないことです。
できないと怒る支援者がいますが、
上記のようなことで
できないこともありますから、
何でできなかったのか?
覚えられなかったか?の検証はしても
怒ることで理解できる
というものではなりません。
怒るのではなく、
どうやればわかりやすいかを
ご本人に確かめて、
よりわかりやすい情報の伝え方を
工夫するのが、
私たち支援者側の役割です。
支援者側が、
その人に合った支援を怠ったことで、
できないことが
増えている可能性があります。
怒るという方法ではなく、
なぜできないかを確かめ、
どうやったらわかりやすいかも確かめ、
工夫をすることです。
情報を処理するということは、
実はたくさんのスキルが必要で、
そこに困難性を持っている知的障害の人には、
情報を処理しやすくするのが
支援の一つでもあるのです。
分割化
視覚化
やり方などの確認をする
そういった、一人ひとりに合わせた
情報の伝達をしてみてください。
彼らはできないことばかりではなく、
できる範囲を超えると
できなくなってしまいますので、
できない部分ばかりを見ないで、
できることにも目を向けましょう。