知的障害がある方で、
歩けるけど、ひとりだと
歩行が難しい方がいます。
支援者が、ご本人と、
腕を組んでいる場合、
どんなところに
気を付けていかなければ
ならないのでしょうか?
実は、
支援者が歩きやすいように
してしまう傾向があります。
そうすると、ご本人は、
寄りかかるようになってしまうのです。
たとえば、支援者の右手と
ご本人の左手を組んだとします。
そのときに、
ご本人は左に傾くということです。
自分の意志で歩くというより、
支援者主導で、
引きずられる結果となります。
どこかで、自立歩行が
できるようになるかもしれないわけで、
その方が斜めになっていては、
かえって歩きづらいのです。
そして、頼ろうとしているので、
支援者がいないと
歩けないことになります。
その方の体がまっすぐになるよう、
位置を確かめる気持ちを持ちながら、
歩行の支援をしましょう。
もちろん、支援者は、
ご自身の腰痛にも
気を付けてください。
利用者の方の体が
まっすぐということは、
あなたの体が
曲がっていることが
あるかもしれないからです。
ご本人が自分の気持ちで
前に歩き進めることができるよう、
そこも自立の考え方です。
また、段々に体力が
ついてきた場合などは、
少し、介助度を
減らしていくこともしましょう。
ぎゅっと脇を閉めていた
手の力を緩めてみたり、
腕を添えているだけにしたり・・・
支援者の悪い癖は、
一度やり始めると、
全く同じ支援をしてしまう事があることです。
自力で、歩行ができそうなのに、
いつも通りの支援をしてしまうことは、
するべきではないですね。
その人のどこに支援が
必要かを日々の状態に合わせて
実施するべきです。
また、歩くと斜めに行ってしまう人もいます。
そういう人には、特に道路では気をつけてみます。
案外、路面は、まっすぐではないので、
危険も見ていきます。
軽く腕を支えてみたり、
違う方向にいきそうなときに
少し方向を修正してみたりします。
そして、何より間違いやすいのは、
彼らが、歩行に介助が必要でも、
ドアの開け閉めや
バックの中身を取り出すなど、
ご本人ができる場合です。
一緒にいることでドアを開けてしまったり、
バックの中身を
取り出したりしてしまう
支援者が多いのです。
これはNGです。
支援はできないことを
していくことが基本ですから、
ご本人にやっていただきましょう。
どうしても、支援者が
ついでにやってしまう。
障害が重くなりますよ。
つまり、できることが
減ってしまいます。
自分でやろうとする気持ちも
なくなってしまいます。
支援者はなぜ
その方と一緒に行動をしているのか、
忘れないようにしましょう。
歩行時に介助が
必要ということは、
なんにもできない方と
いうことではありません。
できることとできないことを
見極めましょう。
歩行といえども、
自立という観点から見ていき、
その人の気持ちや視点で歩いたり、
その人のできることが増えることに支援します。
また、あなた自身が
障害を増やすことのないよう、
意識を持って支援しましょう。