知的障害がある人たちは、
職員の指示に従い、
言われたことを
作業することが得意です。
同じことを、
長い時間、
疲れた様子もなく、
行い続ける人は多くいます。
最初、簡単には
できないかもしれません。
覚えるまで、時間もかかり、
できるようになっても、
ゆっくりながら自分自身の
ペースを保ちつつ、
やっていくと思います。
早くしてほしくても
スピードを
上げることがない場合も
ありますが、
それでも、コツコツと
長時間続けられるのは
特技なのです。
私たちといえば、
飽きてしまったり、
疲れたり、
眠くなったり、
手を抜いたり、
他の仕事が入ることで、
集中力を欠いたり、
ミスもしやすく、
長時間をしかも
何日も何か月も何年も
同じことをしていられないですよね?
彼らは、企業の中でも、
「単純作業」といわれることを、
コツコツするようなことであれば、
力を発揮してくれるでしょう。
そんな彼らですから、
ピタッとあてはまる仕事があれば、
とにかく続けてくれます。
やはりそこは、
その人が続けられる仕事かどうかです。
私がいる施設では、
縫製作業をしていますが、
コツコツと、細かい縫物をしており、
最初からできるわけでもなく、
時間をかけて、
単純に「縫う」ができる人になりました。
そして、このような商品を
できることを組み合わせて、
できる部分だけをしつつ
商品となるようにしています。
ですから、1日縫っていますし、
明日も明後日も縫い続けられるのが
彼らの強みとなっています。
そして、商品が売れるごとに
職員から売れたことを話したり、
注文が入ったりすると、
自分たちがやったからという
自信になります。
最初は「できない」といっていた
人たちも多いのですが、
スモールステップ、
スローステップで、
わかるよう、
支援をしました。
そのうち、
「できそうだ」になり、
「やってみます」になり、
「もっと売れるといいですね!」
「明日もやります」
となります。
表情にも自信が現れ、
急なお願いも
対応できるようになります。
彼らには、
できることを
していただだいているだけです。
無理難題を
押し付けたわけではありません。
でも、最初は自分の力もわかず、
難しいと感じていた時は、
練習にも時間をかけました。
「大丈夫だよ」
「できるよ」
「難しかったら手伝うよ」
「どうしてもだめなら他の仕事もあるよ」
「練習には時間かけても大丈夫だよ」
そんなことをお伝えしつつ、
練習をしました。
自分で納得できた時に、
商品を作ると自分で決め、
作り始めて、
その都度、
「できた」
を確認し続けました。
もし途中でできないことがあっても、
「ここまでできたよね」
「難しいがわかったね」
「ほかの人ができるから大丈夫だよ」
と、失敗感覚は
植え付けないようにしています。
だから、彼らの仕事ぶりは、
高度な技術となったと思っています。
さて、先日、ある施設で
作られたお弁当を
売る仕事をされている利用者の方と
お話をしました。
「俺が売ってるから、
全部売れるんだ!」
すごい自信です!
この方の強みですよね。
この方の売り場は、
建物の外です。
雨の日もあるでしょう。
寒い日もあるでしょう。
でも彼は、
工夫もされているようです。
売るために、
努力もなさっている。
だから、完売するそうです。
60個作って持って行けば、
60個売る。
70個作って持って行けば、
70個売る。
そう決めているようです。
こころが決まれば、
彼らは強いです。
「俺だから売れる!」
なのです。
となれば、
もっと良い仕事をしていくのです。
こうなれば販売のプロです。
あなたの施設の作業は、
その人ができること、
その人がやりたいと思うこと、
でしょうか?
その人の強みを
見つけられていますか?
明日もやれる。
自分だから、できる。
そんなプロとしての
仕事ができるよう、
私たちは応援しようではありませんか!