彼らに言葉があると
話は通じているように
思えるようですが、
通じていない事が多くあります。
どうしてでしょうか?
私たちが、
自分で話をするときには、
自分のわかるように話をしているので、
その話の中身がわかっている状態です。
物の名前や形、場所なども
頭の中にあります。
その映像となっているものを
言葉にするので、
相手に伝わる事よりも、
自分のわかる文言で
言葉を発している可能性があります。
よく使うのは、
指示語です。
これ ここ
それ そこ
あれ あそこ
どれ どこ
などです。
言葉を発するものは、
「あれ」というだけで、
自分は何のことを指して言っているのか
想像しています。
形もわかります。
でも、名前を忘れることもあったり、
面倒だったりもします。
そこで、相手も知っているはずだと思い込み、
「あれ」って言ってしまうのです。
たとえば、
「ここで待っていてほしい」
ということをお話しした時に、
「ここ」のイメージは、
話した方は、「今いる1メートル四方」と思っても、
聞いた相手は、
「今いる階」と思えば、
すぐに移動し始めてしまうのです。
「ここにいるんだから」という解釈になります。
こういった、指示語の解釈の違いは、
大きなアクシデントになります。
また、
あいまいな言葉が通じません。
「たくさん食べちゃダメだよ」
「ちょっとだけ待ってて」
「早くして」
「小さい声で話して」
などと、親御さんはよく使うのではありませんか?
量や程度がわかりませんね。
ですから、通じないのです。
さらには、難しい言葉があったりすると、
わかったような顔をしていますが、
馬耳東風。
聞いていません。
それを、聞いているし、
「わからない」と言わないことで、
言った側は、相手が理解したと
思い込むようです。
自分が言った言葉を
理解しないはずがないとも
思っているかもしれません。
相手が
自分の思っていることと
違ったことした時に
何で通じないの?とは思っても、
自分の言い方がわからなかったのか?
とは思わない方が非常に多いのです。
あなたもそうではありませんか?
自分の言い方が悪く、
相手が間違ったのに、
相手が聞いてないからだ
理解していないからだ、
理解できるはずなのに、
おかしいとなり
注意してしまうのが
私たち支援者側です。
これは、責任転嫁ですね。
でも、あなたは、
そのことにすら
気づいていないかもしれません。
知的障害がある人に
通じるように話すのは、
私たち支援者側の努力ですし、
通じたのか、通じないのかを
確かめないと、
本当に大きな間違いになります。
あなたの伝え方は、
その人にとって通じる言葉でしょうか?
想像できる言葉でしょうか?
相手はわからないとさえ
言わない可能性もありますので、
確かめつつ、会話をしてみてください。
相手がわからなくても、
どうか、怒らないようお願いします。
あなたのせいで、通じていないのですから。