知的障害がある人たちが、
生活をする上で、
禁止されることがあります。
例えば、健康上の都合で、
医者にたばこを止められた。
といったことです。
支援者からも、
してはいけないことということを
言われることは多々あります。
それは、危険であるとか、
事件に巻き込まれるなどの理由も含めて、
彼らの生活を脅かすものだからです。
そういったものを、
彼らは、「わかった。もうやらない」という風に
その場で約束をしてみたりもしますが、
実際は、
その約束を守らないという結果に
なってしまうことが多々あります。
どうしてもやめられない。
というときには、
私たちとの約束は、
その場限りです。
彼らはだまそうともしていません。
その時はやめようと思った、
禁止されていることもわかっています。
でも、やっぱり守れないのです。
それでは、全く意味がありません。
このような場合、
私たちが提案したことを守らせる手法よりも、
ご本人ができることを決めていただく方が、
効果があります。
その人ができる範囲のことで
考えることになりますから、
「○○してはだめ」という
言い方ではなくなります。
つまり、
「○○をしてよい」という言い方になります。
例えば、
タバコであれば、
吸ってはいけないではなく、
1日1箱は吸ってよい
とか、
吸いたくなった時に言ってくれれば
絶対にタバコをあげます
でもよいのです。
絆創膏が取りたい人にも、
取っちゃダメではなく、
○時になったらとります。
というようなことも効果があります。
彼らのやること、
できることに焦点を当てた話をすることとです。
そして、私たち自身も
約束を守ることです。
彼らが一人で
約束を守るのではなく、
私たちも守る部分を持って行くことです。
例えば先ほどのタバコであれば、
1日ひと箱は許す自分でいることや、
絆創膏を取る時間を守るということです。
その時に、ご本人と確認もできます。
できているねと、
確認されることは、
ご本人にとっても力強い
気持ちになることでしょう。
ほめることではなく確認で大丈夫です。
ひとりではできないことも、
仲間がいればできることもあるでしょう?
それと同じです。
「禁止されたこと=やるべきこと」を
続けるための仲間です。
確認したり、
応援したり、
もしできなかったら違う形に
変更して行ったり、
そのような影の応援団です。
決して叱るための要員ではありません。
やれることをやっていただくことで、
やってはいけないことをやらないようにする。
私たちは否定語を使わず、
肯定的に推し進めていくことです。
その人の健康のためや
命にかかわることのためには、
彼らの状況を
オープンにしていただくべきですから、
怒って内緒にされて、
隠れて、約束を守らない
というようなことにならないよう、
こちら側が工夫しましょう。