その利用者の人は、
低めのソファーに
座ろうとした瞬間、
頭の方が床につく体勢になってしまい、
転んでしまいました。
まさかの事故。
しかも職員の目の前で、
真横あたりにいたのに
防ぐことができませんでした。
幸い、てんかん発作のための
ヘッドギアをしていたこともあり、
大ごとにはなりませんでした。
座る瞬間に、
発作が起きた様子もなく、
単に、座ろうとして腰を曲げた瞬間、
頭の方が重くて、
そのまま前にいってしまったのでしょう。
知的障害がある人のけがや事故は、
何でここでこうなるのか?
と思うようなことが実際に起きています。
支援者の予測に全く当てはまらないような
そんな動きがあるからです。
また、こんなこともあります。
これは、一般的な事例ですが、
小さな子を自転車に乗せて、
お母さんが自転車から降り、
ちょっと目を離した瞬間に
子供が自転車の上で動いてしまったり、
何らかの理由で、
タイヤの角度が動いてしまい、
子供を乗せたまま、
自転車が倒れてしまう例です。
この例は、全国で何件も
事故になっていますが、
子供さんが大けがを
しているにもかかわらず、
なかなかゼロには
なっていないようです。
そこで、自転車自体が
改良を重ねられていますね。
お母さん方は、
まさか自転車が倒れるとは
思ってもいません。
うちは大丈夫という
気持ちもあるでしょう。
全国で起きているこの事故を
知らないお母さん方も
多いと思います。
これは子供には非はありません。
お母さんが気をつければ防げた事故です。
さて、このように、事故は、
私たちの生活の範囲では
起きないだろうと
思ってしまいがちです。
起きて欲しくないという気持ちも
上乗せされるからかもしれません。
でも、
対象となる人たちの
まさかの動きや
外的要因、
更には、自分自身の心の持ちようで、
事故は、起きてしまうのです。
でも、私たちの予測で、
防げることも多くあります。
予防をする視点で考えることです。
そのためにも、
私たちはいろいろな所で起きている事故を
参考にもしたいと思うのです。
先輩方に聞いてください。
他施設で働いているお友達にも
聞いてください。
そんなことで事故が起きるのか?
ということが、
様々な施設で起きています。
ならば、うちの施設も気を付けよう!
となります。
そういう意味で、
あなたの目の前で起きない事故は、
他から情報を仕入れるべきです。
そして、事故は起きるものと
考えることです。
自分の所だけ起きない訳ではありません。
彼らはどんな動きをするかが、
私たちには予測できませんよね。
彼らの頭の中で考えていることは
見えませんからね。
外的要因の予測も
難しい場合もあります。
ですから、
危険と思われることを
利用者に情報としていれたり、
する場合もあります。
予測していれば、
防げる事故は多くあります。
1つでも2つでも減らすことです。
最後に絶対に防げた事故例を書きましょう。
職員の予測で防げたはずです。
会議テーブルの脚を
きちっと入れておかなかったため、
上に乗せたものの重みで、
脚が閉じてしまい、
机が倒れ、
そこにいた利用者の方が足を骨折。
これは、日頃からの安全管理です。
会議机の脚の点検だけではなく、
物を多く乗せること自体、
危険である認識を持つことです。
強風の日、
送迎中に、交通量が多いところで、
利用者を下ろそうと
ドアを少しだけ開けた瞬間、
風で全開となってしまい、
そこに他の車両がぶつかる惨事に。
こうなると、乗っている利用者全員に
影響が出ます。
風の強さと、
他の車両の交通状態の
把握をすれば、
このようなことには、
ならなかったと思います。
このようなことは、防げる事故です。
私たち自身、
利用者の人の動きや外的要因は、
予測できないかもしれませんが、
それでも、できるだけ、
安全を意識したものにするためには、
いつも私たちが
守れるだけではない場合も
あります。
ということは、
利用者にも自ら安全を
意識することができる人であれば、
意識してもらうことも
あるはずです。
想像つきにくく、
わかりにくいかもしれませんが、
自分で、危険な方向を取らないように、
学習する機会も大事ですね。
職員側のヒヤリハットという観点や
システムという観点も大事ですが、
職員側、利用者側からも考えた、
様々な視点から、
予防という観点で考え、
事故を防ぎ、
危険を回避し、
けがの無いような日常にしましょう。