給食には、
いろいろな課題があり、
その中で、
「食べない」を選択されることが、
ことのほか多く、
各施設でも、
課題があります。
今日は、通常の食器ではなく、
お弁当箱に変更したら
食べたという事例のご紹介をします。
この方は、
生活介護施設に通所されている方で、
周りを気にしていることが多くある方です。
食べたとしてもおかずが主。
でも、行事食のお弁当は完食するとか、
レストランの食事も食べるという情報を聞き、
ある仮説を立てたのです。
そのとき浮かんだのは、
高齢者施設で、食器の数が多く、
食べられない方に
お弁当箱で提供したら
食べられたという、
テレビで見た情報。
ずいぶん前に聞いたことでしたが、
ふと、自分の引き出しの中から
飛び出てきました。
かといって仕切りがあるお弁当箱を
すぐに用意できないので、
市販のお弁当を購入し、
中身を出し、
そのお弁当箱をきれいに洗って、
みんなと同じ給食を詰めて
提供してみました。
こういうものを試すときは
お金をかけないのが大事です。
成功するか失敗するかが
わからないのですからね。
最初からお弁当箱を買ってしまうと、
なんで食べないの?という
モードに入りやすくなりますので、
それはやめたいところです。
さて、様子を見てみると、
食べ方はいつもより良いです。
いつも食べないご飯(ピラフでした)にも
手を出しているし、
満遍なくおかずを取っています。
吐きだしたりする遊びもありますが、
どんどん減っていきます。
一応成功。
ただし、給食の内容が良かったのかとか、
その日の活動内容が良かったとか、
いろいろな影響はあるので、
一概にお弁当箱がいいとの
結論は出しません。
ですが、いつもよりは良いという評価はできます。
では、なぜ、食べられたのか?
興味本位かもしれません。
でも、障害が潜んでいるかもしれません。
視野が狭い方かもしれません。
バラバラの食器だと、
情報が多すぎるのかもしれません。
また、お茶碗を持つのが嫌なのかもしれません。
だから、お弁当箱ゆえに
食べた可能性もあります。
ここで大事なのは、目的です。
「給食を食べていただくこと」
です。
同じ食器に戻すことを先に考えたり、
皆さんと同じ食器で
なければならないという考えは
大事かもしれませんが、
まずは、後回しにしましょう。
ただ、様々な機会を捉えれば、
いろいろな形の食器で
食べられることはその方にとっては
役立つことかもしれませんね。
給食の食器やその置き方に、
ご本人の感じる「障害」がないか?
そんな視点を持つと、
食べられる「食器」を追求するのも、
支援の一環といえそうです。
給食を食べられないというのは、
食べられるような支援を
必要としていること捉え、
支援を考えてみましょう!