どこからどうしてそうなったのか?と、
支援者が気になるこだわりが、
いろいろありますよね?
これが、人に迷惑になるとか、
仕事に支障をきたすとか、
そういう類の場合、
止めさせようとする
支援者も多いと思います。
さらに、目立っただけでも
止めさせようとする。
だいたい、
こだわりは誰にでもあるもの。
これを読んでいるあなたにもです。
安定のためにすることもあるので、
こだわりそのものを
やめさせるということではないのですけど、
中には、支援者がその人を見ているので、
気になって、気になって、気になりすぎて、
「これは止めさせるべきだ」などと考え、
「問題行動」の部類にしてしまうことも
あるのではないでしょうか。
ようするに、
目立たなければいいと
思うことも多くあるのです。
さて、今回取り組んだのは、
「今までやっていた事」を
「今までやらなかった時間」にやり始め、
そのこだわりを
その時間にしなければ
ならなくなってしまった人の、
スケジュールのみの変更です。
ある施設のその人は、
作業時間中にロッカーに行き、
「あること」をします。
しかも、もう少しで
休み時間という時間帯にです。
ロッカーに行き、
「あること」をするのは、
人にも迷惑がかかることでもないし、
誰だってその行動を
するときがあるので
別になんてことも
ないことなのですが、
休み時間の10分前になると行くので、
作業中ということもあり、
「目立つ」わけです。
しかも、他の利用者にも
作業をサボっているととられかねないし、
万が一流れ作業でしたら
みんなの仕事も中断もします。
さて、スケジュール変更だけを
目的とし、
変更をしたのですが、
事前の話だけではわかりにくく、
その時間になると、
ロッカーに行ってしまったのです。
そこで、ロッカーに駆け込んだその方に、
「今は仕事をする時間です」と伝えました。
このとき、私は笑顔です。
怒っているのではなく、
変更をしたいだけなので、
笑顔で言いました。
最初はイライラしていて、
大きな声も出ました。
しかし、仕事に戻ることができました。
そのあと、休み時間になったので、
「どうぞロッカーに行っていいですよ」と伝えると
走ってロッカーに行き、
「あること」をしていました。
先ほども言いましたように、
こだわることをやめさせたいわけでは
ありませんので、
行動は保障します。
次の作業中に指示書を作り、
ロッカーに行く時間(休み時間の時刻)をいれ、
その時刻にすることは○、
10分前の時間にすることは×としました。
このあたりは、
この人がわかるもので、
他の人の場合は、
その人がわかるものでの
スケジュールや指示書を作ってください。
本来することを書けばよいので、
×はいらないかもしれないですね。
さて、実際は、
10分前になると行きたくて、
席を立ち上がったりもしていましたが、
何とか我慢をし、休み時間に行きました。
ここで支援者として重要なのは、
まず、今やることを指示すること。
そして、できたときには
ほめることです。
その人は○と×がわかるので、
休み時間に行ったあとに、
手で○を作りほめました。
もちろん、午後も休み時間があるので、
指示書の時間は変更しています。
その休み時間ごとに時間を変えました。
全部で5回。
その間にやることで完全にわかったようで、
10分前になっても立ち上がりもせず、
イライラもせず、
最後の休み時間にはチャイムで
ロッカーに行きました。
さらには、帰るときには
にこやかに帰っています。
そして、次の日は、
まったく何事もなかったかのように、
10分前の席立ちはなく、
休み時間にロッカーに行き、
こだわりは目立つことなく
自由にこだわる事をやることができています。
このときに絵(スケジュール)はつづけました。
さて、こういったことは、
誰にでもあることなのですが、
彼らの行動を否定するのではなく、
スケジュール変更だけで目立つことなく、
誰にも迷惑かけずにできるのですから、
支援者は支援のしどころを
間違えないでいただければと思います。
また、こだわりをさせると
こだわりが増えるのではないかと
お考えの方も多くいらっしゃると思いますが、
そうは思いません。
こだわりは不安の現れの場合もありますから、
自由にこだわれると
逆になくなったりもします。
ですから、こだわりは
こちらが穏やかに受け取ってください。
眉間にしわを寄せてはなりませんよ。