歩行を支援する



知的障害がある方で、
歩行に支援を必要とする方も
多くいらっしゃいます。

車いすの方もいらっしゃいますが、
そばについているとか、
一部介助をすることで、
自力歩行ができる方もいらっしゃいますね。
中には片マヒの方もいらっしゃることでしょう。

その時に支援者は、
「自立」を目的に支援をすることを忘れがちで、
ただついているだけ。
ただ安全を確保しているだけ。
という形になっている場合もあります。

できないことは何でもしてあげるのが、
歩行の支援と思っている方も
いらっしゃるのではないでしょうか?

もちろん違います。

自立。
歩行に関する自立を考えていかなければなりません。

たとえば、
石があるよ、段差があるよ、などのことを
ご本人が考えずに、支援者が考えて
よけてしまっていることもありますよね?

手をつながなくてもいいのに、
安全だと思うことだけで、
手をつないでいるかもしれません。

道って、まっすぐじゃないですし、
道路によっては、ゆがみや
陥没もあります。

車の通りが激しくても歩道がなかったり、
歩道があっても、軒先の商品や自転車で、
歩道が狭くなっていることなどもあります。

工事現場があれば、
誘導に従って、道を外れなければなりません。

いろいろな、その時の状況というのがあって、
その場に応じた、感覚を身につけることは大事なのです。

あなたが、良かれと思って、すべての道を
誘導すれば、頼っていれば、
目的地に連れて行ってもらえるという
人生になってしまいます。

あなたの良かれと思ったやさしさは、
「障害」を重くしているのです。

たとえば、
この道は、傾斜があるな、
だから、歩き方を気をつけないと、だんだんに
車道寄りになってしまう。

この道は、この期間に
工事中だから、
一旦車道に出ないと前に進めないな。

このような、
その場その場の変化に
対応できる力をつけることを
支援することなのです。

歩行の支援は、
目的地につけばいいのではありません。
状況の変化に対応できる方であれば、
対応の仕方を
支援しましょう。

もちろん、
歩行の最中に、他の部分でできることがあれば、
ご本人がやるべきなのに、
ついでにやってしまっていることもないようにお願いしますね。