知的障害者の個別支援計画「支援目標」とは



個別支援計画の「支援目標」書き方は
どんな書き方がよいのか、
悩むことがありますよね。

何故悩むのかというと、
利用者が、する部分なのか、
支援者が、する部分なのか、
と考えてしまうからでしょう。

さて、個別支援計画は、
ニーズというものをもとに作りますが、
そのニーズも、
うまくつかみ取れていますか?

このニーズは、
利用者の人が、どんな将来を考えているかとか、
そのために、どんなスキルがあったらよいかとか、
そして、そのためにどんな支援が欲しいかなどを
ご本人に伺ったり、
また、彼らの普段の言葉や行動をもとに、
支援者が考えたりするものです。

よく間違えるのは、
主訴とニーズ。

ご本人が、
「一人暮らしをしたい」
と言った時に、
では、アパートを探しましょう。
生活保護の申請を支援しましょう。
といったことになりがちです。

なぜ、一人暮らしをしたいとお考えなのかを
知るべきです。
表面的な言葉に
「それがニーズ」と
思ってしまうことが多々あります。

その言葉の裏(意味)を聞いていくと、
「家で、一人の時間が欲しい」とか、
「施設まで遠いから、
電車に乗るのが嫌で、
引っ越したい。
でも、家族はあのうちに
住むだろうから
一人暮らしを考えている」とか、
その意味を知ることができます。

「一人暮らしをしたい」をしたいわけではなく、
今のご家族との暮らしの中で考えたのが、
そのようなことであれば、
今の暮らしの中で、
改善することなども探れます。

となると、

目標は、「一人暮らしをしたい」
ではなく、
「人との付き合いの中で、安心して生活ができる」
なのかもしれないのです。

もちろん、その方法として、
「ひとり暮らし」もあるかもしれないですけどね。

このように、ニーズは何かを探ることで、
目標がわかります。

でも、「目標」という言葉に、
翻弄されてますよね?

これは、私たち支援者が、
今までの人生の中で、
目標と使ってきたシーンは、
「目標=がんばる自分」
という形だったからかもしれません。

基本的に、
がんばるというシーンでは
ないと思うのですが、
「なりたい自分の姿」とでも
言っていたほうがいいのかもしれませんし、
もう少しわかりやすく言えば、
支援目標とは、
「利用者が支援を受けつつ、なりたい自分の姿」
となるのでしょう。

つまり、
ご本人だけでがんばることでもありませんし、
支援者だけでがんばることでもなく、
ご本人が、向いたい将来(ニーズ)のために、
支援者が、支援する方向性が「支援目標」となるのです。

困ったが言えるようになりたい
ひとりでトイレができるようになりたい
静かな部屋で仕事がしたい

そういった、ご本人のニーズが前面に出て、
私たちがその支援をしますよ!と言える部分が
「支援目標」

では、あなたのニーズを実現するために、
私たちは、どんな支援をしましょうか?の部分が、
「支援内容」となります。

誰のために
どんな点に着目すべきか?は、
もちろん、その計画の主人公である
その利用者自身のためであり、
その利用者の自立のためです。

自立とは、何でもできればよいことでもなく、
できないということで、
支援を受けつつすることも
自立となりますから、
そこも、勘違いをなさると、
「目標を立てたから、
本人だけががんばることである」と思いがちで、
それは、間違いです。

個別支援計画は、
支援者が、ニーズに沿って、
支援をしているかどうかを
表明し、評価を受けるために、
作るものです。

利用者と話しましょう!
利用者の普段の姿をしっかり見ましょう!
そして、支援目標をつかみましょう!
もちろん、
あなたが支援できる内容にしましょうね。