知的障害者の気持ちを理解する



知的障害がある人の
気持ちを理解しよう!と
よく言われますよね。

支援者は、
知的障害がある人たちが、
何を考えているのかは、
わかりません。
それは人間ですから、
当たり前のことです。

発語があるからといっても、
その言葉の意味が、
本心から言っているのかも
わかりません。

言葉がないから、
何も考えていないかというと
そうではありません。

毎日接している私たち支援者でさえ、
彼らの頭の中で、
どんなことを思い、
どうしていきたいと思っているのかは、
わからない中で、
言葉があるとそれを頼りに、
言っていることを支援者なりに
解釈します。

例えば、
支援者と同じような考えを
持っていると受け取れる
言葉が発すれば、
「この人はわかっている」と解釈します。
だから、支援を省いてしまう。

例えば、
支援者と違う意見を
持っているかような言葉を発すれば、
その表面だけをつかみとり、
「わかってないから」と
言ってしまいがち。

どんな解釈をしているのかさえも、
聞いてもらえず、
支援者主導になってしまう。

言葉として発しない人には、
「あなたは考えられないでしょう」と、
わかりきったような支援者が、
物事を決めてしまう。

支援者は、
支援者に都合がいいように
解釈するわけです。

そうだと思って、
関わるべきです。

だからこそ、
彼らの気持ちを理解するべきだと
いうのです。

こういった課題はあるにしても、
やはり私たち支援者は、
彼らがどんな気持ちであり、
どんな考えがあるかや
どう進めていきたいのかに対して、
支援をしていくわけです。

自分で決定することや
将来のこと、
また、困難なことについて、
様々な情報を取り、考え、
答えを出すことなどが
苦手な人たちですから、
支援者が支援をする重要な部分です。

そして、代弁をしなければ
ならないこともあるでしょう。

それは、何かから守るためであったり、
これから困難なことが
できるだけ起きないようにするためにも、
支援者の力は必要なのです。

必要であるにもかかわらず、
大きなリスクも背負っている
部分なのです。

ですから、
自分たちがどういう視点を持って、
彼らの言葉を解釈し、
必要に応じて代弁していくのか、
そして、間違うかもしれないと言うことを
恐れるのではなく、
間違ったら、謝罪して、
方向性を変えることをすることです。

解釈があっていないのではないかと、
不安になりすぎてはいけません。

不安になりすぎて、
解釈しなくなることも
良くはありません。

まず、何かの解釈をしましょう。
できるだけあっていると思われる
解釈を試みてください。

その時に、
こういうことなのか、
それとも別なことなのかもと
考えつくことです。
そして、
ご本人と確認してみることです。

そうすると、
解釈の直しができることです。

解釈の直しができないと、
間違っていた場合に、
押し付けになりますから、
そこは気をつけるべきことです。

言葉がある人が間違うことを
言うこともありますが、
それを注意することに
時間を取ることではありません。
伝わる言い回しを教えることです。

そして、
本音や思いを解釈ができるようになる、
あなたのスキルUPの方が先です。

いろいろな解釈をあえてしてみましょう。
自分がこうあってほしくないという
解釈もです。

「彼らの気持ちを理解するのが大切」とだけ、
スローガンのように
掲げるだけでは
意味がありません。

彼らを主体に解釈し、
確認することを
日常の常としていきましょう。