【保存版】原因・支援方法を考えるための30個ワーク



知的障害や自閉症の人たちの
支援をしていく組織として、
様々なことを改善していく時に、
原因を考えてほしいと
私から伝えていることがあります。

伝えているのは、

虐待
パニック
人間関係 など。

あなたが起きてほしくないと思っていること。
やめたいこと。
改善したいと思うこと。
むずかしいこと。
いろいろありますね。

前に進むためにです。
嘆くためではありません。
改善とは、今から変化することです。

そのために、
虐待の原因って何だったんだろう?
自閉症の人のパニックの原因って何だったんだろう?
この人間関係の悪さの原因は何だったんだろう?

など、
考えていただきたいのです。

そして、その原因をつかむことが、
実は困難で、
表面的な部分にばかり、目を向けてしまい、
あの人が、やめればいいな。
利用者がどこかの施設に行ってくれないかな?
など、
あなた以外の人を自分の目の前から
省きたくなることもあるようです。

でも、
その人がいなくなったところで、
また同じようなことは起きます。
原因がなくならないからです。
そのような願いは意味がありません。

それよりも、
なぜそういうことになっているのかを
正しく把握すれば、
自分にもできる改善が手に入れられます。
ですから、
今、改善の手順を身に着けることです。

この方法を身に着けることで、
様々な課題が生じたときに、
対処できるスキルとなりますし、
組織が、よりよい方向に行くことになります。

さて、そんなときにお役に立つ方法として、
「30個ワーク」というのを推奨しています。
これはどの事業所でも簡単にできるので、
原因がわからない
どうやって支援したらよいかが
わからない
という事業所さんには、
是非お勧めしたいと思います。

では、30個ワークとは何のために
どんな方法でしていくのか?
お話ししたいと思います。

目的
その原因を探り、
改善する部分をつかむ。
原因がわかれば、
対処(支援)するところがわかるので、
支援が変わる。

方法を探る。
方法が確定すれば、
チームの方向性が確認できる。

参加者
ふたり以上。
できれば様々な職種の人
男女・年齢も様々
など、いろいろな人で協力できるとよいと思います。

ルール
・アイデアを30個まで出す。
・利用者のためにしていく。
・意見はどんな立場でも同等である。
・自分の意見なんか…と思わない。
・人の意見に批判をしない。
・均等に全員で出す。(順番にいえばよい)
・その時アイデアが出なかったらパスができる。
・またアイデアが出たら言うことができる。
・出たアイデアは書き出して、
そのアイデアの中から一つ決める。

では、具体的にイメージできるように書きます。

できれば司会者(ファシリテーター)が
いるとよいと思います。

支援者が並んでいる順番に指していきます。

その順番にアイデアをひとり1個出します。
1個出したら次の人が1個出します。
この繰り返しです。
ひとりが2個以上出してはいけません。
1個だけです。

もし、順番が回ってきたときに、
アイデアが思い浮かばなかったら、
パスができます。

その次に回ってきたときに、
アイデアが浮かんだら、また発言ができます。

同じものは言わない努力をします。
同じものはカウントしません。

人が言っている間に、
その意見に批判はしてはなりません。
つまり意見を言う場面ではありません。
アイデアだけ箇条書きのように出す場です。
もし批判している人が出たら、
司会が制止しましょう。

出てきたものを、
30個になるまで書き出します。

発言している人は、メモなど取らず、
意見を出すことに集中します。

メモは、ホワイトボード
メモ用紙(粘着性部分があるメモ)
模造紙など、
何でもOKです。

前もって30個の番号が書いてあると、
もっと出しやすくなります。

リズムよく、どんどん出し、
指されたときに考えているようでしたら
パスしましょう。
つまり、みなさんが答えている間に
自分が考えるということです。

30個出されたら次のワークです。

この30個の中から、
対応できそうなもの、
これだよ!と思えるものなどの基準で、
1つを決めます。

1つを決めるのに、
またここで批判はなしです。

とりあえず、1個決めるというやり方で良いです。

でも、なかなか決まらなければ、
ざっくり半分にしてしまうというのもありです。
切り捨てるのではなく、
機械的に半分にするということです。
担当者に1個決めてもらうというのもありです。

この時、できれば、何分間で決定するとしてください。
いつまで考えていることは、
時間の無駄です。

そして、1つに決めます。
この場合は多数決にしなくてもよいのです。

どんな方法でも、
批判をしないことを条件にひとつに決めることです。

なぜなら、
これは、取り組みのきっかけだからです。

では、パニックの原因を考えたワークを
一例にお話ししましょう。

先ほどの方法で原因を一つに決め、
その原因を取り除く支援をしたとします。
でも、パニックが収まらなかった。
その時は、それが原因ではないということなのです。

このように、一つ一つ検証していくと、
30個くらいやるうちに
「あたり」が出てきます。

このあたりが出てきたところが正解なのです。

あたりが出れば、支援した時に、
パニックはなくなるということです。

もちろん、原因をひとつ捉え、
その支援方法をまた皆さんで
30個ワークで考えることもできますね。

そういう時に使える、
会議の仕方です。

ひとりで考えると、
なかなかアイデアが出ませんから、
いろいろな人と考えますが、
いろいろな想像をしましょう。
施設の中ではなく外の要因もありますし、
他利用者が原因の場合もあります。

いろいろな視点で
物事を考えられるように
頭を柔らかくすることです。

その人と全くかかわりのない人でも、
想像で、よいアイデアを
出すことができる人もいます。
だからこそ、
いろいろな立場の人でやることは有効です。

30個という中で
1個眼で解決しなかったら、
だめだと考えず、
29個に減ったという考え方で、
ポジティブに
原因や方法を考えていきましょう!

さあ、まずは1回お試しください。
皆さんで楽しみつつ出していきましょう!