自閉症支援:初めての活動を導入する時



自閉症の人に
はじめてその施設に来た時(実習も含め)や
新しい作業や活動などをしていただく導入の時や、
試しにスケジュールの効果を見る時など、
最初は、細かめにスケジュールを立てて、
ほんの少しでも、
理解ができているかを見ていくことをしています。

これは、最初にその人にとって、
その場所でのこころの安定を
支援するためです。

何が好きなのか、
何ならできるのか、
何を続けるのか、
どんな風にすれば続けられるのか、
など、見ていく導入部分です。

一つ一つに
「できたね」
「やろうとしているね」
「難しいね」
「関心ないね」
なども見ていきます。

福祉施設や学校の活動や授業は、
1時間くらいの枠を決めているところも
多いと思いますが、
この1時間が曲者。

特に興味がなかったり、
環境が悪かったりすると、
1時間もいられなかったり、
座っていることもできなかったり、
つまりは、そこから抜け出す努力を始めます。

彼らは、自己防衛する力は持っていますからね。

無断外出やトイレに行きたがったり、
大声やもの投げなどは
自己防衛ですね。
SOSになります。

ですから、
導入の時は、
その人が、どういう人なのだろうを
知っていくために、
周りの活動の時間や内容と
同じようにするだけでは、
だめなのです。

これをしてしまうと、
「集団に合わせる」論理になって、
しまいますよね?
そうではないのです。

最初はその人に合わせて、
プログラムをして、
だんだん慣れたら、時間を延ばしたり、
他の人と同じことをしたり、
という風にすることで、
混乱なく、集団に入れる人もいるのです。

もともと、導入の時って、
不安でいっぱいだと思うのです。
それなのに、職員主導で、
施設に合わせて、
事を進めてしまったら、
不安は恐怖に変わります。

それを避けるための
安心ある導入です。

さて、多くのNHKの教育系番組が、
15分間隔でできていますよね?
子どもが飽きないようにできているのです。

通常1時間番組。
でも、子供の番組は4分の1。

最初から1時間必死に見なくても、
細切れにすることで、
1時間はあっという間に経ってしまいますよね。

飽きさせないとか、
ちょっと一息入れるとか、
コーヒーを飲むとか、
そういうことは誰しもやっていることです。

ですから、
「導入」は、
最初から飛ばしすぎてはなりません。

徐々にです。

相手の持つ、心地よさに焦点を当てましょう。

そのための、
時間配分

環境
など、その人に心地よさが用意されていれば、
ちょっとだけ、チャレンジしてみようかな?
と思える導入が必要なのです。

集団に合わせるよりも、
その人のできるところや興味に
視点を当てて、
そこに存在することを
ここちよいと解釈してもらえることが、
重要ですね。

時間だったら、5分からかもしれません。
量だったら10個からかもしれません。
できるようになったら増やしていくことです。

周りと比べず、
その人らしさの中で
支援のしどころを
探っていきましょう。