自閉症支援:パニックの時に落ち着くための方法



自閉症の方が、
パニック状態になり、
その状態が続いているときに
支援者は、
まず、今のパニック状態を
やめていただきたいと思いますよね?

やめないと、
他害や破壊が続くことになり、
それが続くことは
想像したくないはずです。

でも、これをいきなり
止めようとしても
なかなか止まらないと思います。
かえってひどくなったり、
自分もケガをすることに
つながります。

さらに、力ずくで止めることで、
虐待にもなりかねません。

このような方法で止まらないのは、
その人は困ったことが起きて、
パニックという方法で、
一生懸命訴えているからなのです。

私の場合は、

「○○やりたい人!○○やりたいなら座りましょう」

と声をかけています。

「壊したい人!(ここを確認)壊したいなら座りましょう」
「泣きたい人!(ここを確認)泣きたいなら座りましょう」

この言い方で、かなりの確率で、
話を聞いてくださいます。
大声で叫んでいる人でも、
座れる人もいます。

そして、座っていただいたあとに、

「嫌なことがあったのね?」
という意味を持って、
「何か嫌なことがあったから、
壊したくなっちゃったんだね?
嫌なのは○○かな?○○なくそうね」
などと話をつなげていきます。

このように、
パニックになった原因をつかんで、
その原因をなくすことをしたり、

ご本人がやりたいことを確認したり、

嫌なことがあったことを確認したり、

今は△△をする時間だから、
今やりたいことは、
○時からしましょう・・・などの
本来するべきことを確認し、
やりたいことをやるスケジュールを
立てたり、
代替え案を出したりすることで
そのパニックによる行動が、
終わることがあります。

どうしても、そのことを
今しなければならないのではなくて、
パニック状態だから、
そのことをしなければならなくなった
ということもあるかもしれないのです。

まずは、
座ることができたのであれば、
こちらの話を聞いてくれている状態です。

その方のイライラや困りごとの
原因を取りのぞき、
少しでも和らぎ、
心を落ち着かせてくれれば、
パニックも収まることもあります。

まず、支援者の話を聞いてくれるか・・・
が大事です。

その確認のために、
「手・ひざ・ぽん」
など、そんな手遊びみたいなことをしてみると、
同じ動作をしてくれるので、
自分の話を聞いてくれていることも確認できます。
(ちょっと子供じみているかもしれませんが)
「○○やりたい人は手をあげましょう」と
言うこともあります。

「○○したい人は座りましょう」的な会話が
有効なのは、
その方のやりたいことを
否定していない状態だからだと思います。

もし座らなかったら、
「やりたいんでしょう?」
「やりたいんだよね。じゃあ、座りましょう」
と再確認をすることもあります。

今、落ち着いて話を聞いてくれる状態にすることが、
必要なのです。

急なパニックの人に、
落ち着きを取り戻していただくために、
試してみてください。

そして、座ったら、
話をして、嫌なものは
極力取り除くことです。

もちろん、パニックには、
必ず支援側や社会側に原因がありますので、
その原因を取りのぞいたり、
日頃からパニックにならないような
支援をすることは、
大事なことです。

パニックにならないように支援することです。

また、私たちが気をつけていても
外的要因でなることもありますから、
パニックになった時に
早く収束させる手段として、
是非とも使ってみてください。