自閉症支援:その時、負の感情を表に出さない



自閉症の人が、
パニックになる時に、
「何もしていないのにパニックになった」
という、支援者の声がよく聞こえてきます。

支援者がなんだかわからない間に、
パニックが起きている状態のようですが、
パニックが起きる時は何かしらの
原因があります。

支援者には、
わかりにくいとは思いますが、
何かが起きているのです。

さて、私たち支援者には、
自閉症の方に支援する時に、
それなりのスキルを
求められるわけですが、
いろいろなスキルを使うときに、
できるだけ
省いていただきたいことがあります。

それは、
あなたの不の感情の表出です。

さきほどの、
「なんだかわからないうちに・・・」
の一部は、
この「負の感情の表出」と思われます。

その時に、
「嫌だなあ」とか、
「なんで?」とか、
「また?」とか、
「こわいなぁ」とか、
感情が、表に出てしまうのです。

しかも自分からは、
自分のことが見えないので、
自分自身でも気づいていない
可能性があるのです。

さて、負の感情が働くと、
自分の気持ちに左右され、
支援そのものが
ちょっと後ろ向きだったり、
不安の中でやっていたり、
することにもつながります。
気持ちが載らない分、
支援が、
うまくいかない確率が増します。

彼らは、その支援者の様子を
素早くキャッチする人たちなのです。
だから、
パニックが増大する可能性が
高いことを覚えておいてください。

もともと変化に弱い人たちです。
表情が変わっただけでも
変化なのです。

しかも、
その自閉症の方の行動を
否定的にとらえている変化です。

あなた自身も、
自分と接する際に
否定的にとらえている相手がいたら、
その表情の変化には
敏感になりますよね?
もし、嫌な(負の)表情だったら、
なんだか接したくなくなるでしょう?

彼らにもそういうことが
わかるのです。

あなたが負の感情を持つ前の瞬間に、
彼らの行動で嫌な感触を持ったようですが、
先ほども言いましたように、
彼らの行動の理由があります。
その理由があるから、
そういう行動をとっているのです。

その行動をあなたが表情を通して、
否定してしまうため、
反発が起きます。

どんなに
「え?」っと疑いたくなるような行動を
とっているとしても、
パニックを
誘発したくないのであれば、
あなたの負の感情を
表に出さないことです。

気持ちは
そう思ったとしても
表情は変えない
努力をしてください。

「何もしていない」のに、
パニックになっていたのであれば、
その時どんな表情でしたか?
自己分析してみるのもよいでしょう。

自分の表情が変わったことは、
自閉症の方にとって
大きな変化になることがあるのです。

そんなことで?と
思われるかもしれませんが、
そんなことでも起きる時は、
起きるのです。

ですから、負の感情を表に出さないように、
接してみてください。

パニックは、減っていきますし、
万が一、パニックになっているときであれば、
二次的な増大もなくなります。