支援できない職員への対応



支援は、支援が必要な人にするものです。
その人にとって、
支援者であれば、
支援が必要なのかどうかも
見極めなければなりません。

そして、どんな支援が必要なのかを、
彼らから言い始めることの方が少ないという
事実もあります。

例えば視覚障害の人が、
「一緒に横断歩道を渡ってください」
と、言われたのであれば、
支援について知らなくても、
眼が見えないのだなという理解もできますし、
一緒に横断歩道を渡ることができますが、
知的障害や自閉症の人の場合、
そこを自分から、
「○○を支援してください」とは、
言えない人のほうが多いのです。

中には言葉がない人もいますが、
言葉があるから
SOSが言えるというわけでは
ありません。

ですから、
私たちに必要なのは、
その人は支援を求めているのかどうかを
確認することです。

例えば、先ほどの視覚障害がある方は、
横断歩道のところで立っているからと言って、
すべての人が向こう側に
渡るとは限りませんよね?

だから、渡らないつもりの人を
こちらの勝手な解釈で、
渡らせてはなりませんよね?

ここには、
渡りたそうなのか、
渡らないで立っているだけなのか、
私たちが、感じる部分があるのです。
もちろん、確認できるのであれば、
確認をするべきです。

さて、同じようなことは
知的障害がある方にも言えます。

特に知的障害の場合は、
困ってなさそうで
困っている人が多いことです。

そこを見極めたいところなのです。

ですから、
この知的障害者の場合も、
実は見極めができれば、
簡単に誰でも支援はできます。

そこで、必要なのは、
「気づき」です。
そのための「観察」
そして、「想像」
なのですよね。
この3つはセットになりますし、
一連の流れです。

さて、支援ができない職員が増えていて、
相談が入ってきます。

なぜ、支援ができない職員が
増えているかというと、
気づき、想像ができない人が
増えているからです。

気づきは、
こうやったら気づき力が高まる!
などというものを
私はお教えできませんが、
そういう人たちにでもできるとすれば、
表面的な部分の「外的変化」に気づくことです。

本来であれば、
知的障害がある人たちの
内面の変化に
気づいてほしいのですが、
そこまで行くには、
まだまだ先のことです。

さて、観察していて、
外的変化に気づいて、
それに対して支援が必要か否かを
想像するということになります。

これは、言葉がなくても、
何かの変化を
見抜けることは、
重要ですし、
そこに「あれ?」
と、思えることも重要になります。

でも、その職員は、利用者の変化に
気づいていないということに
自分が気づいてないのです。

その職場、職場で
その職員用に、
アレンジしていただきたいのですが、

支援の基本として、
ご本人を見ること。

ただ見るのではなく、
変化を見ること。
感じ取ることということもありますね。

その変化に対して、
支援が必要かを考えること。

という順番で、
支援の必要性が確認できたのであれば、
その職員さんにも
支援できることが増えるかもしれません。

これらのことは、
一瞬でできる支援者のほうが
多いのです。

自然の流れで、
できてしまっていると、
人に解説するのは、
非常に難しい部分だと思いますが、
実際気づけない職員が増えている以上、
対策は立てていくべきだと思います。

まずは、
支援までの流れを解説し
その職員が、
どの部分でつまづきがあるのかを
確認してみてください。

その職員にできること、
できないことも確認しましょう。

そして、その職員と
一緒にやっていくには、
どうしたらよいかも
確認したいところです。

ちなみに、マニュアル的にしたほうが、
その職員にとっては、
良いのだと思いますが、
話し合って、
どういう方法がよりよいのか、
確認するべきでしょうね。

時間がかかると思います。
「見る」ができるまでには、
具体的な指示も必要かもしれません。
何を見るか、
どうやって変化を見極めるか。

眼で見る
音を聞く
においをかぐなど、
具体的な事例で出しながら、
解説してみてください。

利用者が困るのだけは、
避けていきましょう。

また、もしかしてこれを読んで、
自分の行動にあれ?と思われた方は、
自分の支援について、
他の職員に確認してみてください。

あなたは気づいていない
部分だと思いますので、
参考にしてみてください。