個人面談10のヒント



知的障害がある人と、
面談をすることがあります。
彼らが何を考えているのか、
知るのには良いチャンスなのですが、
面談がうまくできないと
感じている人も多くいますね。

どんなところに気をつけると、
良い面談になるのでしょう?

自分の常識の中で答えを出さない

どうしても、職員たちは、
自分たちの常識の中で
彼らの答えを見出そうとすることが
見受けられます。

でも、人の考えている事と言うのは、
私たちが想像するよりも
全く違うことを考えていることが
多くあります。

自分の考えを押し付けるようなことや、
こう考えているだろう?
というような方向性で考える傾向がある人は、
そういう自分であることを
肝に銘じて面談をしましょう。

職員がしゃべらない時間を作る

先ほど書いたような職員は、
待てない人も多いようです。
答えはこれだろう?と思い込んでいるからです。
ですから、何か質問をした際には、
「待つ」と言うことをするべきなのです。

でも、考えられない人だと思い込むと、
考えている最中にも、
しゃべり続ける職員がいますよね?

あなたも誰かに質問されて考えているときに
話かけられたら、考えられないでしょう?

だから、質問をしたら、
少し黙っているべきなのです。

私たちが考える時間よりも、
彼らが考える時間は
長いと思ってください。

複数のヒントを出す

また、考えるヒントがないと
考えられない人もいます。
もしも、考えにくい人であったり、
どうしていいかわからない
と言うような表情をしている場合は、
私たちの考えを用意することです。

その時は、あなたの常識を
押し付けてはなりません。

その人の目線になり。
その人にとって良いと思われる思考になることです。

もしヒントを出すのであれば、
メリットデメリットのヒントを用意したり、
答えになるようなことも
複数用意しましょう。

また、答えを一つしか用意せずに、
これでいいよね?
という問いかけは、
職員の誘導になってしまうので、
避けてください。

答えを出すのは彼らです。
彼らが考えやすく、
答えを出しやすい、
情報を提示して、
そして、待つことです。

答えを表面で捉えない

さて、答えが出てきたとしましょう。
まず、否定してはいけません。
そう考えているんだねという意味での
共感をしましょう。

共感しているけど、
その通りには、
させてあげられないものもあります。

たとえば、
「泥棒をしたい」というようなときです。
理由があって、
そうしたいといっているわけですから、
答えを共感するというより、
気持ちを共感しましょう。

泥棒したいくらい、
何かに困っているという意味です。
もしくは何か嫌なことが
あったということです。

彼らが言ったことをそのままの文字面で
受け取るべきではありません。
裏に潜む気持ちを
受け取りましょう。

そして、気持ちを受け取った際には、
代替え案などの提示もしましょう。

文字に書きとめて進める

面談は、話だけになりがちで、
ご本人には、話が流れてしまって
わかりにくくなるものもあります。
ですから、職員用の面談の記録ではなく、
ご本人がわかりやすくするための
メモ的な記録をつけながら、
お話しするといいと思っています。

ご本人が忘れてしまったら、
それを見返すことができますので、
とっても有効です。

そのまま記録として
活きる場合もありますが、
ご本人がお持ち帰りに
なることもありますね。
家で見返すことは大事なことですね。

理解いただけるように話す
相手に理解していただきやすいのは、
ゆっくり目に話す事です。

相手がわからないスピードで
話すべきではありません。
少し遅いかな?と思うほどで大丈夫です。

また、難しい言葉を使うべきではありません。

わかったかわからなかったかも確認して、
わからない場合は、違う言い回しに
することも心がけましょう。

短期集中型で話しましょう

だらだらと話していては、
彼らは、使えたり集中が途切れますので、
長い時間かけるのではなく
短期集中型で面談をしてみましょう。

もし、結論が出なければ、
複数回に分けたほうが効果的です。

親ではなく、ご本人の意見が一番

考える力に障害があればあるほど、
親御さんを頼る傾向がありますが、
ご本人と親御さんの考えは別物だと認識しつつ、
親御さんの意見も聞くようにしましょう。

意見が分かれることがあることを
先にご説明をし、
もし意見が別れたら
ご本人の方を優先することが
基本であることも
親御さんにお話ししておきましょう。

やってみてダメなら次にやり方を変えること

ご本人が出した答えをしてみることをしますが、
取り組まなかったり、
別な方がいいといったりもします。

そういう時は職員は、へこみやすくなりますが、
そういうことが当たり前と言うことを
最初から思っておくことです。

やるっていったじゃないか!
などと思ったり言葉にせずに、
別な方法なども考えましょう。

ふたりでやることも考える

できれば、こちら側は
2人いた方が良いと思います。
聞き役と、利用者側に立った発言をする役です。

ふたりの役割を明確にして、
また、時にはアイデアを増幅させて、
面談すると効果的なことがあります。

もちろん、1人でやる場合も多くありますので、
絶対にと言うことではありません。

また、2人でやる方がいいと思う場合でも、
利用者にとって、委縮する状況なのであれば、
1対1の方が良いでしょう。

同性が良いのか、
異性の方がいいのか、
そんな考え方もあるので、
話しやすい人になれる努力もしていきましょう。

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面談は、
ご本人が話しやすくなるように、
私たち支援者側は工夫するものです。
今日書いたヒントはほんの一例です。
もっともっと注意すべき点や
気にかけなければならない点は
あるのです。

相談支援ほど、
高度な支援はないでしょう。

わからないものを私たちが理解するために、
学び続けたいものです。

支援をがんばりましょう!